浸る(読み)ヒタル

デジタル大辞泉 「浸る」の意味・読み・例文・類語

ひた・る【浸る/漬る】

[動ラ五(四)]
水などの中に入る。つかる。「温泉に―・る」「床下まで水に―・る」
ある状態心境にはいりきる。「毎日酒に―・る」「喜びに―・る」
[可能]ひたれる
[類語](1漬かる漬ける浸す/(2酔う陶酔酔いれるうっとりする恍惚こうこつ陶然とろけるしびれる専心打ち込む専念没頭没入傾注没我熱中夢中熱心鋭意無我夢中背水の陣緊褌きんこん一番凝る耽る骨折る骨を折る根を詰める目の色を変える心血を注ぐ手を尽くす身を投ずる身を挺する体を張る明け暮れる

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精選版 日本国語大辞典 「浸る」の意味・読み・例文・類語

ひた・る【浸・漬】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 液体、またはその類のものにはいる。完全ではなく一部がつかる。
      1. [初出の実例]「賀の屏風に松の海にひたりたる所を」(出典:拾遺和歌集(1005‐07頃か)雑上・四五七・詞書)
      2. 「こしよりしもは、でいにひたりて、御あしもまくろにて」(出典:古本説話集(1130頃か)六七)
    2. ある心境・状態にはいりきる。
      1. [初出の実例]「幼少より酒に涵(ヒタ)り居れば、其徳ある事はよく知れり」(出典洒落本・風俗八色談(1756)三)
      2. 「昨夜泰子の家で、安閑と一人幸福に浸ったことが」(出典:家族会議(1935)〈横光利一〉)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「腰の一重が波にひたれてはだゑも見えすく」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)二)

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