常陸利根川左岸の平地に鎮座する。祭神は岐神・天鳥船神・住吉三神。鹿島・香取両神宮とともに東国三社の一で、鹿島神宮の摂社でもある。旧県社。
最初
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
茨城県神栖(かみす)市息栖に鎮座。岐神(くなどのかみ)を主神とし、天鳥船命(あめのとりふねのみこと)、住吉(すみよし)三神を配祀(はいし)している。社伝によれば、応神(おうじん)天皇の代に神栖村日川(にっかわ)に鎮祭され、807年(大同2)4月13日に現在地に遷祀されたという。『三代実録』仁和(にんな)元年(885)の条に「正六位於岐都説(おきつす)神従(じゅ)五位下を授く」とみえるのが当社にあたるという。弘安(こうあん)の役(元寇(げんこう)、1281)には、勅旨を奉じ国家安泰の祈願が行われた。旧県社。例祭は4月13日。1月7日に白馬祭(あおうまのまつり)、3月6日に春祭、7月27日に風祭(かざまつり)、11月23日に秋祭、6月30日には川祓(かわはらえ)の形を残した夏越祓(なごしのはらえ)が行われる。
[落合偉洲]
…一方,武士は一切経・法華経・大般若経等を寄進し,また忍性(にんしよう)も法華経を読誦している。武士の当社への信仰は室町・戦国時代にも変わらなかったし,要石(かなめいし),息栖(いきす)神社(摂社)の男瓶・女瓶などの伝承も生まれ霊験縁起の原型が形成された。武神であるので武道の場となり塚原土佐守は天真正伝神道流を学び,その孫養子(養子ともいわれる)の塚原卜伝(ぼくでん)は鹿島新当流の祖となった。…
…東を鹿島灘,西を外浪逆浦(そとなさかうら)にはさまれ,鹿島砂丘の北部を占める。町名は三社参りで知られる鹿島神宮の摂社息栖(いきす)神社と神之池(ごうのいけ)の名にちなむ。かつては麦,スイカなどの砂丘農業が行われていたが,昭和30年代に鹿島臨海工業地域の建設が始まると砂丘に掘込み式の鹿島港がつくられ,神之池の大部分が埋め立てられて,全国でも有数の石油化学コンビナートをもつ工業地区に変わり,人口も急増した。…
※「息栖神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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