六訂版 家庭医学大全科 「手足がむくむ」の解説
手足がむくむ
てあしがむくむ
Swollen hands and feet
(お年寄りの病気)
どのような状態か
外来で診察していると、「夕方に足のむくみがひどくなり、朝には良くなっている」と話される患者さんがよくいらっしゃいます。むくみは「血管の外に水分が出ている」状態です。水ですから、重力によって徐々に体の低い場所に移動します。そこで、足のむくみは寝ている間に背中などの胴体のほうに移動するので、朝には良くなったようにみえるのです。
むくみがあるかないかを調べるには、体重を測るとよいでしょう。むくむと体重が1~2週間で2~3㎏増加します。朝に良くなると言っている人も、たいてい朝と夕方との体重はほとんど変わりません。一般的に、むくみは治療をしない限り、急に良くはなりません。
家庭での対処のしかた
むくみがひどくなると、胸に水がたまり(
むくみがあって呼吸が苦しくなるようなら、すぐに病院を受診してください。病院ではX線検査で胸水の有無を調べ、心電図で心臓の異常がないかを調べます。血液検査では肝臓や腎臓の状態を調べます。甲状腺機能低下症から、むくむこともあります。
呼吸困難がなくても、両足にむくみがある時には病院を受診してください。血液検査などで原因を調べる必要があります。
片方だけのむくみの場合、むくんでいる手足に痛みがあったり、赤くはれているような時は、病院を受診してください。細菌などが侵入したか、静脈に血栓ができている場合があります。治療をしないと悪化するので、病院で検査のうえ、治療を受けてください。
片方のむくみで、痛みがないのであれば様子をみてください。じんま疹や血圧の薬の影響で手足の一部がはれることがあります。数日たっても良くならなければ、病院で原因を調べてもらってください。
服部 明徳
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報