出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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巻物を同じ幅に折り畳み、その前後に表紙をつけて製本した本。巻子本(かんすぼん)とともに古い形の装訂法である。巻子本は長いものになると、広げたり巻き戻したり読むのに甚だ不便であった。折本はそれを折り畳んだ姿になる。この装訂法はすでに唐代から行われたという。書物装訂史のうえでは、巻子本から冊子本に移っていく過渡期の形ともいえる。法帖(ほうじょう)などに多くこの装訂法を用いているので、帖装本、法帖仕立ともいう。なお、折本の表紙には、後ろ表紙を一折の面の3倍にして、前表紙の上を左右から包み、右端につけた紐(ひも)を巻いて留めるという変形のものもある。宋(そう)代の版経にこの形式のものが少なくない。
[金子和正]
出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
…このころから大量の出版製本は,蒸気機関や電力の力をかり,従来の手工芸的なものから漸次機械化され,各種製本機械の発明とともに,今日のような機械工業に発展した。 一方,東洋における製本の様式は,中国に端を発し,後漢のとき,紙の発明とともに,〈巻子本(かんすぼん)〉の形態がとられ,ついで繙読(はんどく)に便利なため,これをジグザグに折って,上下に薄板をあて〈折本〉の形をとった。さらに隋・唐のころには〈旋風葉(せんぷうよう)〉といって,表紙を二つ折りにし,そのなかに折本をはさみこみ,上下を表紙にはりつけたものがはやった。…
※「折本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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