拒む(読み)コバム

デジタル大辞泉 「拒む」の意味・読み・例文・類語

こば・む【拒む】

[動マ五(四)]
相手要求依頼などをはねつける。受け入れをかたく断る。拒否する。「立ち退きを―・む」「申し出を―・む」
進んでくるものを通さないように押さえとどめる。はばむ。「敵の侵入を―・む」
断る[用法]
[可能]こばめる
[類語]断る退けるはねつける突っぱねる否む辞する謝する謝絶する拒絶する拒否する辞退する固辞する遠慮する一蹴する不承知難色拝辞する峻拒しゅんきょする

つき・む【拒む】

[動マ四]断る。こばむ。
「―・みて言ふにこそと思ひて」〈宇治拾遺一四

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「拒む」の意味・読み・例文・類語

こば・む【拒】

  1. 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
  2. 進んでくる相手をおさえとどめる。防ぎはばむ。
    1. [初出の実例]「忍辱に由るが故に拒(コバム)て外の怨害に侵さるること能はぬこと」(出典:金剛般若経讚述仁和元年点(885))
    2. 「タイテキヲ マエニ ヲイタレバ ショウテキヲ cobamuni(コバムニ) タライデ」(出典:天草本伊曾保(1593)獅子王と熊との事)
  3. ( 同意、服従などを求められて ) ことわる。拒絶する。
    1. [初出の実例]「妾(やつこ)皇后の嫉(ねた)むたまはむに因りて、既に天皇の命(おほむこと)を拒(コハム)」(出典:日本書紀(720)允恭七年一二月(図書寮本訓))
    2. 「田沼玄蕃頭の厳命を拒みかねたので」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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