デジタル大辞泉 「謝する」の意味・読み・例文・類語 しゃ・する【謝する】 [動サ変][文]しゃ・す[サ変]《古くは「じゃする」とも》1 あやまる。わびる。「失礼を―・する」2 感謝する。礼を言う。「厚意に―・する」3 ことわる。謝絶する。「申し出を―・する」4 いとまごいをして立ち去る。辞去する。「恩師のもとを―・する」5 とり除く。払い落とす。「亡魂の恨みを―・すべし」〈太平記・一一〉[類語]断る・謝る・わびる・わび・わび言・平謝り・陳謝・謝罪・多謝・恐縮・有り難い・かたじけない・うれしい・もったいない・おそれ多い・幸甚・恐懼・恐れ入る・痛み入る・心苦しい・身に余る・過分 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「謝する」の意味・読み・例文・類語 しゃ‐・する【謝】 ( 古くは「じゃする」とも )[ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙 [ 文語形 ]しゃ・す 〘 自動詞 サ行変 〙① いとまごいをして立ち去る。辞去する。立ち退(の)く。〔色葉字類抄(1177‐81)〕[初出の実例]「声聞の戒は、色心の執着を離れずして受るが故に、壊すれば戒体も又随て謝する」(出典:慈雲短篇法語(1804))② 花などがしぼむ。しぼんで落ちる。凋落(ちょうらく)する。おとろえる。[初出の実例]「長峯五十町、花既謝尽」(出典:実隆公記‐明応五年(1496)閏二月一九日)「花謝して新葉を生ず」(出典:日本教育史略(1877)文芸概略〈榊原芳野〉)[ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙 [ 文語形 ]しゃ・す 〘 他動詞 サ行変 〙① あやまる。詫びる。謝罪する。[初出の実例]「但し来りて悔い謝(サアセ)は〈略〉彼に歓喜を施す」(出典:蘇悉地羯羅経寛弘五年点(1008)中)② 感謝する。礼を言う。[初出の実例]「鬼、甚だ喜て逈に謝す」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)「誠に存命すとも謝(ジャシ)難くこそ候へ」(出典:太平記(14C後)四)③ ことわる。謝絶する。[初出の実例]「玄機は人を屏(しりぞ)けて引見し、僮僕に客を謝(シャ)することを命じた」(出典:魚玄機(1915)〈森鴎外〉)④ 恨みなどを晴らす。とり除く。払い落とす。たち切る。[初出の実例]「遺恨のいたり、謝(シャ)するところをしらず」(出典:金刀比羅本保元(1220頃か)上)⑤ ひけをとる。譲る。[初出の実例]「綺羅脂粉粧無レ暇、不レ謝二巫山一片雲一」(出典:本朝文粋(1060頃)一・貧女吟〈紀長谷雄〉)謝するの補助注記( 1 )「謝」の字音は、呉音ジャ、漢音シャで、古くは濁音であった。( 2 )[ 二 ]①の「蘇悉地羯羅経寛弘五年点‐中」の「謝(サアセ)は」は、字音を片仮名で正確に表記しようとした例である。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例