否む(読み)イナム

デジタル大辞泉 「否む」の意味・読み・例文・類語

いな・む【否む/辞む】

[動マ五(四)]《「いなぶ」の音変化》
断る。嫌がる。辞退する。「申し出をむげに―・むわけにもいかない」
否定する。「―・むことのできない事実
[補説]古くは上二段活用かと思われるが、平安時代用例連用形終止形がほとんどで、上二段四段か決めがたい。
[可能]いなめる
[類語]断る拒む辞する謝する謝絶する拒絶する拒否する辞退する固辞する遠慮する一蹴する不承知難色不同意異議異論異存批判抵抗難色を示す異を唱える異を立てる首を振る首を横に振るかぶりを振る如何なものか謙譲拝辞する(厳しく強い調子)退けるね付ける突っねる峻拒しゅんきょする

いや・む【否む】

[動マ四]気を悪くして憎む。嫌う。
国司も国司にこそよれ。我らにあひて、かうは言ふぞとて、―・み思ひて」〈宇治拾遺・三〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「否む」の意味・読み・例文・類語

いや‐・む【否・嫌】

  1. 〘 他動詞 マ行四段活用 〙 きらう。気を悪くする。
    1. [初出の実例]「国司むつかりて、『国司も国司にこそよれ、我らにあひて、かうはいふぞ』とて、いやみ思ひて」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)

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