コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

数学的構造 すうがくてきこうぞう mathematical structure

3件 の用語解説(数学的構造の意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

数学的構造
すうがくてきこうぞう
mathematical structure

単に構造ともいう。数学の一つの理論は,ある全体集合の元 (要素,対象,個体,変数) の間に,基本的な関係,すなわち公理を規定することによって成立する。このように,公理による元の間の関係の規定を,数学的構造という。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

すうがくてきこうぞう【数学的構造 mathematical structure】

数学では扱う対象を集合としてとらえるのがふつうである。その場合,扱われるものは単なる集合ではなく,何らかの数学的性質が付与されたものであるのがふつうである。その付与された性質を数学的構造,または単に構造という。以下に例示するようにいろいろな場合がある。(1)順序集合には,その元の間の大小関係が与えられている。その大小関係が数学的構造の一例である。(2)は一つの算法をもつ集合で,その算法についてのある条件が満たされるものである。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

数学的構造
すうがくてきこうぞう
mathematical structure

数学でよく用いられる重要な概念で、たとえば順序、群、環、体(たい)、位相空間とか測度などが、どのような関係や算法によって組み立てられ、構造をなしているか、また、それらの差異や類似性がどのようになっているかの仕組みを明らかにしようとするものである。
 ここでは整数の全体Zを例にとり、まず順序構造について説明しよう。Zの上には3≦5というような大小関係≦がある。そして、すべてのZの元について次のような性質が満足されている。すなわち、(1)aa(反射律)、(2)ab, baならばab(反対称律)、(3)ab, bcならばac(推移律)およびabまたはbaが成立する。この順序関係に対して集合{(x, y)|xy}を考えれば、これはZの順序対の集まり、すなわちZの直積Z×Zの部分集合を定める。これを関係≦のグラフとよぶ。また関係≦をZから真偽値への写像と考えることもできる。すなわち真を1、偽を0で記し、その集まり2={0, 1}を考えれば、≦は写像として、≦:Z×Z→2である。このように一つの集合Aと、その上の二項関係Rの組(AR)について性質
  aRa
  aRb, bRaab
  aRb, bRcaRc
Aのすべての元について成立するとき、この組(AR)を部分順序構造、またさらに、aRbまたはbRaが成立するときに線形順序構造とよばれる。Zの場合はさらに5+(-2)=3のように0および算法-、+があって次のような性質が満足されている。すなわち
  a+0=0+aa(単位元)
  a+(-a)=(-a)+a=0(逆元)
  a+(bc)=(ab)+c(結合法則)
  abba(交換法則)
が成立している。このように集合Aと、その元e、1変数の写像(′)、2変数の写像(*)すなわち′:AAと*:A×AAの組(Ae, ′, *)について性質
  aeeaaaa′=a′*aea*(bc)=(ab)*c
Aのすべての元について成立するとき、この組を、群構造を有する、または単に群であるという。さらにabbaが成立するときアーベル群または可換群という。この場合には、通常e、′、*のかわりに0、-、+が用いられている。さらに、Zでは、1と乗法×があって(2+3)×5=2×5+3×5のように、
  a×1=1×aa(乗法の単位元)
  a・(bc)=(ab)・c(結合法則)
  a・(bc)=abac, (ab)・cacbc(分配法則)
が成立する。このような場合、組(A:0, -, +, 1, ×)は環構造を有するとか、単に環であるという。通常はこのような定数0、1とか写像-、+、×を明記しないで、Aは群であるとか環であるとかいうが、この場合、文脈から算法+とか×が明らかな場合である。
 また、たとえば位相空間の場合でも、いろいろの定義、すなわち近傍系、開集合族とか閉包によるものがあるが、閉包を用いて記述すれば、集合Aと閉包の写像 ̄:P(A)→P(A)(P(A)はAのべき集合、すなわちAの部分集合の全体)に対して性質

Aのすべての部分集合について成立するとき、(A: ̄)を位相構造または単に位相空間などとよぶ。
 このように何個かの基本的集合とその間の写像との関係と、それらの元の間に成立する関係(通常公理とよばれる)を具体的に述べたものを数学的構造とよんでいる。[難波完爾]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

数学的構造の関連キーワード考慮集合空集合全体集合テトラエチル鉛可算集合集合名詞代数系引っ捕えるテトラ エンゼルフィッシュ世帯単位の原則・個人単位の原則

今日のキーワード

ネコノミクス

猫が生み出す経済効果を指す造語。2012年に発足した安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」にちなみ、経済が低迷する中でも猫に関連するビジネスが盛況で、大きな経済効果をもたらしていることを表現したもの。...

続きを読む

コトバンク for iPhone