新型インフルエンザ等対策特別措置法(読み)しんがたいんふるえんざとうたいさくそちほう

  • しんがたいんふるえんざとうたいさくとくべつそちほう
  • しんがたインフルエンザとうとくべつそちほう〔トクベツソチハフ〕

知恵蔵miniの解説

強毒性の新型インフルエンザ新感染症への対応方法を定めた法律。2009年の新型インフルエンザ(H1N1型)の流行を踏まえ、12年4月に制定された。感染症による犠牲者を抑え、社会混乱を防ぐことを目的に、政府地方自治体が取るべき行動計画策定緊急事態時の外出自粛や施設の使用制限要請などが定められている。13年5月からの施行が予定されていたが、中国での鳥インフルエンザ(H7N9型)の感染拡大を受け、同年4月に前倒しされた。

(2013-4-17)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

新型インフルエンザに代表される強毒性で感染能力が高く、多くの人が免疫を獲得していない未知の新感染症が発生したとき、感染拡大を可能な限り抑制し、国民の健康被害や経済活動への影響を最小限にとどめるための法律。平成24年法律第31号。略して新型インフル特措法とよばれることもある。2009年(平成21)に世界的に流行した新型インフルエンザH1N1型の経験を踏まえ、感染症予防・医療法、検疫法、予防接種法などを補う法的整備の必要性が高まったことから、従来の政令や対策の見直しを進め、2013年4月に施行された。なお、特措法に定められた新型インフルエンザ等とは、感染症法第6条7項と9項にある、人々の間で流行したことのない新型や、流行後に長期間が経過し免疫を獲得していない再興型のインフルエンザ、あるいは全国的かつ急速な蔓延(まんえん)のおそれのある新感染症をさす。
 新型インフル特措法は、事前の体制整備と発生の際の措置を定めている。
 事前の体制整備等は以下のとおりである。(1)国、都道府県、市町村は、新型インフルエンザ等の対策の実施に関する行動計画を作成し、緊急事態の発生時に対策本部を設置する。また、物資の備蓄や訓練を行うこと。(2)医療、医薬品、医療機器、電力、ガス、輸送などの指定公共機関として事業者を指定する。(3)発生時は登録事業者の従業員等への先行的な予防接種(特定接種)を実施する。なお、特定接種を受ける事業者は医療提供業務や国民生活・経済の安定に寄与する業務を行う事業者で、厚生労働大臣の登録を受けているものである。
 国内で発生した場合の措置としては、まず新型インフルエンザ等緊急事態宣言が発令される。さらに、感染拡大の防止、医療等の提供体制確保、国民生活と経済の安定の三つを柱とし、以下の九つの措置がとられることが決められている。(1)外出自粛要請、興行場、催し物等の制限等の要請・指示、(2)国の財政負担による住民に対する予防接種の実施、(3)医療提供体制の確保、(4)緊急物資の運送の要請・指示、(5)政令に定められた特定物資の売渡しの要請・収用、(6)埋葬・火葬の特例、(7)生活関連物資等の価格の安定、(8)行政上の申請期限の延長等、(9)政府関係金融機関等による融資。[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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