け【日】
〘名〙
①
何日にもわたる期間。二日以上の日。日び。日かず。
※
古事記(712)下・
歌謡「君が
行き 気
(ケ)長くなりぬ 山たづの 迎へを行かむ 待つには待たじ」
② (「朝にけに」の形で用い) 日ごと。毎日。
※
万葉(8C後)三・三七七「青山の嶺の白雲朝に食
(け)に常に見れどもめづらし吾
(あ)が君」
[語誌](1)「ひ(日)」の複数を表わすとの説もあるが、
日本語には
文法範疇としての「複数」が認められないので疑問である。
(2)「ふつか(二日)」「みか(三日)」などの「か」や「こよみ(暦)」の「こ(
甲乙は不明)」と同語源とする説が古くからあるが、「ふつか」「ようか(四日=ヨッカの古形)」「いつか(五日)」「むゆか(六日=ムイカの古形)」「な
ぬか(七日=ナノカの古形)」「やうか(八日=ヨウカの古形)」「ここぬか(九日=ココノカの古形)」「はつか(二〇日)」などから取り出されるのは「か」ではなくむしろ「うか」であると考えられ、「け」との関連は薄い。
(3)「キヘ(来経)の約」とする説は成り立たない。
(4)②の「朝にけに」に似た言い方に「日に異
(け)に」「月に異
(け)に」があるが、この「異
(け)」は甲類のケで、乙類のケである「け(日)」とは
別語。→
異(け)
にち【日】
[1] 〘名〙
※
滑稽本・
浮世床(1813‐23)二「
到頭 日
(ニチ)(お日さま)が せぶるまで(日がくるる)のせ(のむ)て居たはいのう」
②
陰陽道で、
七曜(または九曜)の一つ。また、七曜を一週間に配したものの一番目「
日曜」の略。
※運歩色葉(1548)「羅土水金日火計月木 九曜」
[3] 〘接尾〙
※延慶本平家(1309‐10)六末「一日に十枚づつ、千枚の起請を百日の間に書て」
② その月の何番目の日であるかを示す。
※
源氏(1001‐14頃)行幸「十六にち彼岸のはじめにて」
か【日】
〘接尾〙
和語の数詞に付けて、日数を数えるのに用いる語。
① 昼の数についていう。「三日三晩」
※古事記(712)中・歌謡「
日日(かが)並
(な)べて 夜には九夜
(ここのよ) 日には十加
(カ)を」
② 一昼夜を単位として数える。この場合、「五日かかる」「あと十日」のように、日数についてもいい、「三月三日」のように、ある基準の日から数えてその日数に当たる日をさしてもいう。
※万葉(8C後)五・八七〇「百(もも)可(カ)しも行かぬ松浦路(まつらぢ)今日(けふ)行きて明日(あす)は来なむを何か避(さや)れる」
び【日】
〘語素〙 名詞およびそれに準ずる語に付いてなにかに当たる日であることを表わす。「物日(ものび)」「支払い日」「記念日」「誕生日」「日曜日」など。
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デジタル大辞泉
「日」の意味・読み・例文・類語
にち【日】
[名]
1 日曜日。
2 「日本」の略。「対日貿易」
[接尾]助数詞。
1 月の中の何番目の日であるかを表すのに用いる。「4月28日」「きょうは何日ですか」
2 日数を数えるのに用いる。「誕生日まであと12日だ」
け【▽日】
《上代語。「か(日)」と同語源という》二日以上にわたる日のこと。日々。 →日長し →朝に日に
「一日こそ人も待ちよき長き―をかくのみ待たばありかつましじ」〈万・四八四〉
か【日】
[接尾]助数詞。数を表す和語に付いて、日数を数えるのに用いる。「十日」「三日三晩」「二月七日に雪が降った」
「いま幾―ありて若菜摘みてむ」〈古今・春上〉
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日
ひ
地球自転から定まる時間単位で、恒星日と太陽日がある。春分点の南中から南中までの時間を1恒星日といい、章動を含む刻々の春分点に対するものを視恒星日、章動の影響を取り去った平均の春分点に対するものを平均恒星日という。太陽の南中から南中までの時間が1視太陽日であり、平均太陽のそれを平均太陽日という。太陽が黄道上を運行すること、またその運行が一様でないことからおこる不等のため、視太陽日の長さは毎日一様でない。この不等を取り除いて1年について平均した一様な長さの太陽日が平均太陽日である。平均恒星日も平均太陽日も0時から24時まで数えるが、両者には次の関係がある。
365.24220平均太陽日
=366.24220平均恒星日
1平均太陽日=24時平均太陽時
=24時3分56.5554秒平均恒星時
1平均恒星日=24時平均恒星時
=23時56分4.0905秒平均太陽時
一般には、日とは太陽そのものもいう。また日の出から日没までの昼間を意味する。
[渡辺敏夫]
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日
にち
day
時間の単位。 SI単位記号はd。 1dは原子時の1秒の 24× 60× 60倍。もともと1日は地球の自転の1周期の時間であるが,天文学の種々の時系すなわち太陽時,平均太陽時,世界時 UT,恒星時,暦表時 ETに応じて1日の長さは少し異なる。 SIでは天文現象に無関係な原子時によって定義された秒の倍数で日を定義する。
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にち【日】
時間の単位。記号は「d」。1日は1秒の8万6400倍、1分の1440倍、1時間の24倍。また、正午から翌日の正午までの時間をいう。日数では、真夜中から翌日の真夜中を1日とする。
出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報
にち【日 day】
時間の単位で,記号はd。1d=24h=86400sと定義される。国際単位系(SI)以外の単位であるが,SIと併用される単位となっている。【大井 みさほ】
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世界大百科事典内の日の言及
【暦】より
…1日を単位として長い時間を年,月,日によって数える体系。その体系を構成する暦法,またはそれを記載した暦表,暦書をいうこともある。…
※「日」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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