春の海(読み)はるのうみ

  • の 海(うみ)
  • はる

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

日本音楽の曲名宮城道雄作曲。 1930年宮中新年御歌会の勅題海辺」にちなんで,29年作曲尺八の二重奏。 32年尺八のパートをルネ・シュメーがバイオリン編曲,作曲者と重奏してから,国際的に有名となり,55年作曲者と I.スターンとの重奏や,A.コステラネッツ指揮のニューヨーク・フィルハーモニックと唯是震一 (ゆいぜしんいち) の箏との演奏など,外でもしばしば取上げられている。

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世界大百科事典 第2版の解説

宮城道雄作曲の箏と尺八の二重奏曲。1929年に,翌年の勅題〈海辺巌(かいへんのいわお)〉にちなんで作曲された。日本音階による美しい旋律を用い,いかにものどかな春の海を感じさせる情景描写に優れた曲である。邦楽洋楽の別を超えて非常によく親しまれ,原編成以外に,33年来日のフランスの女流バイオリン奏者シュメRenée Chemetの編曲以来バイオリンと箏の二重奏もほとんど定型化し,フルートハープはもちろんのこと,オーケストラやジャズまで含めた多様な編曲で演奏される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宮城道雄(みやぎみちお)作曲の新日本音楽。1929年(昭和4)歌会始(うたかいはじめ)の勅題「海辺巌(かいへんいわお)」にちなんでつくられたもので、かつて瀬戸内海を船で旅したときの印象に、波の音や鳥の声、漁師の舟唄(ふなうた)などを素材にまとめられた。箏と尺八の二重奏曲だが、32年に来日したフランスの女流バイオリン奏者ルネ・シュメーが尺八の部分をバイオリンに編曲、作曲者の箏でレコード化してベストセラーになり、以後、世界的に知られるに至った。

[茂手木潔子]

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精選版 日本国語大辞典の解説

春の陽光を受けた、のどかな海。《季・春》
※再昌草‐天文四年(1535)三月九日「春の海の雲井はるかにみそめては世になき花の色香成けり」
新邦楽の曲名。昭和四年(一九二九)一二月、宮城道雄が翌年の歌会始の勅題「海辺の巖(いわお)」にちなんで作曲。箏と尺八の二重奏曲。春の海ののどかなさまを表わす。フランスのシュメー(Renée Chemet)女史が尺八のパートをバイオリンに編曲したことで有名。宮城の代表作。

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世界大百科事典内の春の海の言及

【宮城道雄】より

…その社中はのち51年に宮城会として組織され,現在も生田流箏曲界の一大会派として存続する。33年に来日したバイオリン奏者シュメが宮城の《春の海》を編曲して彼と合奏し,そのレコードが国内外で好評を博した。48年芸術院会員,53年フランスとスペインで催された国際民族音楽舞踊祭に日本代表として参加,イギリスにも遊び各国で演奏して好評を博した。…

※「春の海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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