女史(読み)ジョシ

デジタル大辞泉 「女史」の意味・読み・例文・類語

じょ‐し〔ヂヨ‐〕【女史】

《昔、中国で、記録事務を扱った女官の称から》
社会的地位名声のある女性敬意を込めていう語。また、その女性の名前に添えて敬意を表す語。
昔、文書の事務を扱った女官。
[類語]女性女子婦女婦女子おなごおみなたおやめあま婦人女人じょじん・にょにんウーマン

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精選版 日本国語大辞典 「女史」の意味・読み・例文・類語

じょ‐しヂョ‥【女史】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 中国古代の女官名。周代には王后の礼事をつかさどったとされ、漢代以後は、後宮の記録をつかさどった。〔周礼天官・女史〕
  3. 女官の一つ。令外官。女の史(ふびと)の意。内侍司に属し文書のことをつかさどったが、平安時代中期以降には博士命婦と呼ばれるようになった。
    1. [初出の実例]「内侍司送中務省牒、年月日下、或署内記位姓名、或署女史姓名」(出典:類聚三代格‐一七・大同元年(806)八月二日太政官奏)
  4. 学者、芸術家、政治家などとして活動している女性を敬って呼ぶ語。また、そういう女性の雅号や氏名の下にそえて敬意を表わす語。
    1. [初出の実例]「松涛女史、名瑢瑢、字玉声、為吾友土井徳人之妻」(出典:五山堂詩話(1807‐16)一)
    2. 「之が度々君に噂する友成加寿衛女史…」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉破調)

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普及版 字通 「女史」の読み・字形・画数・意味

【女史】じよ(ぢよ)し

官名。〔周礼、天官、女史〕女は王后の禮を掌り、治の貳を掌る。以て后を詔(たす)け、治む。~そ后の事、禮を以て從ふ。

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改訂新版 世界大百科事典 「女史」の意味・わかりやすい解説

女史 (じょし)
nǚ shǐ

中国では古来天子の記録官として史官が置かれたが,これに対応して後宮には女史を置いた。ここから転じて学識ある女性の呼称となった。女史の制度はすでに《周礼(しゆらい)》に見え,女奴の文字に通じた者を充てたという。漢代では天子の起居注も女史の役目であったらしい。唐代女史の一つに彤史(とうし)という官があるのは,女史が彤管(赤い軸の筆)を用いたことに由来する。西晋張華の〈女史箴〉は賈皇后の不品行を風刺するために後宮女姓の訓戒を説いたもので,これがさらに《女史箴図》を生んだ。
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