(読み)ソウ

デジタル大辞泉 「曹」の意味・読み・例文・類語

そう【曹】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソウ(サウ)(漢) ゾウ(ザウ)(呉)
ソウ
つかさ。役人役所部屋。「法曹
仲間。ともがら。「児曹」
軍隊階級の一。「曹長軍曹ぐんそう兵曹陸曹
曹達ソーダ」の略。「重曹
〈ゾウ〉へや。つぼね。「曹司ぞうし
[名のり]とも・のぶ
[難読]軍曹さかん将曹さかん

そう〔サウ〕【曹】

役所の中の部屋。
「退きて―に至る」〈今昔・九・三一
仲間。また、一族
「後の―たらんものに伝へよ」〈読・弓張月・残〉

そう【曹】[中国の王朝]

中国、春秋時代の小国。前487年、に滅ぼされた。

ぞう【曹】[漢字項目]

そう

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精選版 日本国語大辞典 「曹」の意味・読み・例文・類語

そうサウ【曹】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ぞう」とも )
  2. 役所の中の部屋。ある官にあてられた部屋。執務する部屋。詰所。曹司。→曹司(ぞうし)
    1. [初出の実例]「奈良麻呂古麻呂便留彼曹」(出典続日本紀‐天平宝字元年(757)七月庚戌)
    2. [その他の文献]〔漢書‐薛宣伝〕
  3. なかま。ともがら。一族。子孫
    1. [初出の実例]「密(ひそか)にこれを記して、後の曹(ゾウ)たらんものに伝へよ」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)残)
    2. [その他の文献]〔史記‐平準書〕

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普及版 字通 「曹」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(異体字)
20画

[字音] ソウ(サウ)
[字訓] つかさ・ともがら

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 会意
正字はに作り、+曰(えつ)。東は(たく)の初文。は〔説文〕六上に「闕」として、その声義を欠く字であるが、字形によっていえば、裁判の当事者がそれぞれ提供するものを(ふくろ)に入れて並べる形。〔周礼、秋官、大司寇〕によると、束矢鈞金を出す定めであった。曰は盟誓を収める器で、自己詛盟をして獄訟が開始される。これを両造という。〔大司寇〕に「兩を以て民のを禁ず。束矢をに入れしめて、然る後に之れを聽く。兩劑(りやうざい)(契約・盟誓)を以て民の獄を禁ず。鈞金を入れしめて、三日にして乃ちに致し、然る後に之れを聽く」と規定している。〔説文〕五上に「獄の兩曹なり。の東に在り。に從ふ。事を治むるなり。曰に從ふ」とするが、〔説文〕はと曰の形義を理解していない。はいわゆる両造にして束矢鈞金を入れるの形、曰は自己詛盟としての誓約を入れる器である。曹はもと裁判用語。法曹を原義とし、のち官署のことに及ぼして分曹・曹司のようにいう。

[訓義]
1. つかさ、獄訟のつかさ、法曹。
2. ともがら、かかり、官の同僚。
3. つれ、むれ、多くの人たち。

[古辞書の訓]
名義抄〕曹 トモガラ・チカヅク・ムラガル・ムラ・ツカサ・カフル・ナムヂ 〔字鏡集〕曹 チカヅク・トモニ・テヅカラ・カサヌ・ムラ・トモガラ・ヤブル・スナハチ・ムカシ・ムラガル・ヒヒニ・オモシ・ナムヂ・ツカサ

[声系]
〔説文〕に曹声として(遭)・槽・糟・漕など十五字を収める。これらのうちに、法曹の意を承ける字はないようである。

[語系]
曹dzuと(造)dzukは声が近い。は神に告げ訴える意。神に対してといい、獄訟のことを曹という。なおthakも、声に通ずるところがある。

[熟語]
曹幹曹偶曹伍・曹好曹史・曹司・曹主曹署曹属曹党・曹務
[下接語]
尉曹・我曹・官曹・義曹・軍曹・功曹・獄曹・侍曹・爾曹・若曹・汝曹・田曹・当曹・東曹・分曹・兵曹・法曹・民曹・列曹

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