デジタル大辞泉 「くすくす」の意味・読み・例文・類語
くす‐くす
1 しのんで笑う声。また、そのようすを表す語。「下を向いて
2 こっそりと事をするさま。また、そのような性格であるさま。
「根性が―して居るのだもの憎らしかろうでは無いか」〈一葉・たけくらべ〉
[類語]くすり・くつくつ・にこにこ・にっこり・にこり・にこやか・にたにた・にたり・にやにや・にやり・にんまり・
北アフリカの名物料理。スパゲッティの原料ともなるデューラム・セモリーナなどの硬粒種の小麦粉にアワやトウモロコシなどの粉を混ぜ合わせて湿り気を与え、細かい粒状にして乾燥させたクスクスムールと称するパスタの一種がおもな材料で、アフリカ大陸の地中海沿岸西側の諸国では主食として食べられており、日本のご飯の感覚に近い。クスクスムールは乾燥させた後、蒸し、再度乾燥させて粉粒状に精製する。調理法としては、蒸したり、炒(いた)めたりして用いるが、精製途中で一度火を通しているため、ふやかしただけでも食べることができる。一般的には、このクスクスにトマトベースのシチューなどの煮込み料理や肉や魚の入ったスープをかけて食べる。また、カバブとよばれる肉の串(くし)焼きをのせて食べたりもする。アフリカでは、クスクスシェールとよばれる2段になった専用の蒸し鍋(なべ)を用い、下鍋で野菜や肉を煮込みながら、その蒸気で上鍋のクスクスを蒸すという合理的な調理法でつくられる。下鍋のシチューやスープの風味をつけてクスクスを蒸しあげることができ、調理効果は高い。また、クスクスにサフランやバラで香りづけをしたものもある。ヨーロッパ諸国にも普及し、クスクスを使ったサラダなどが食べられており、日本でもなじみの食材になりつつある。
[田中伶子]
『主婦の友社編集部編『料理食材大事典』(1996・主婦の友社)』▽『吉田集而編『講座 食の文化――人類の食文化』(1998・味の素文化センター)』
哺乳(ほにゅう)綱有袋目クスクス科クスクス属に含まれる動物の総称。カスカス、ユビムスビともいう。この属Phalangerの仲間はオーストラリア北部のヨーク岬半島、モルッカ諸島、ソロモン諸島、チモール島、ニューギニア島、スラウェシ(セレベス)島などに分布する。普通、ハイイロクスクスP. orientalisなど7種に分類される。頭胴長27~65センチメートル、尾長24~48センチメートルで、雌よりも雄のほうが大きい。頭は丸くて小さく、目が大きい。耳は短く、ほとんど毛に隠れている。尾の先端は裸出し、枝などに巻き付けることができる。雌の腹部には育児嚢(のう)があり前方に開口し、内部に4個の乳頭がある。前足の指はほとんど同じ大きさで、つめが長い。後ろ足の第1指はつめがなく、ほかの指に対向して枝などを握るのに適し、第2、第3指は結合する。毛は密な絹毛状で、体色は種によって変化が多く、灰色、黒色のものから、黒・黄・白の不規則な斑紋(はんもん)のあるものなどがいる。樹上生で、森林や低木林地に単独で生活している。夜行性で、おもに木の葉や実、果実を食べるが、小鳥の卵、小形の哺乳類、昆虫類も食べる。妊娠期間13日で、1~3頭の子を産むが育つのは1頭と思われる。子は育児嚢内で育てられる。11年間飼育された記録がある。肉は美味で原住民に好まれる。
[中里竜二]
有袋目クスクス科クスクス属Phalangerの哺乳類の総称。別名ユビムスビ。丸い頭に夜行性動物特有の大きな目をもち,外観は原猿に似ている。ニューギニアの熱帯林を中心にオーストラリア北東部,セレベス島などにブチクスクス,ハイイロクスクスなど約10種がすむ。体の大きさはネコ大あるいはそれ以下で,体長32~65cm,尾長24~61cm。毛は羊毛状で,種あるいは性別によって,赤色,黄色,灰緑色,黒色など哺乳類中もっとも色彩に富む体色をしている。樹上生活者で,後肢の第1指が他の指と向かい合う対向性を示し,木の枝をしっかりとつかむことができ,また,ものに巻きつけることのできる尾をもつなど,木の上での行動に適した形質を備えている。動作はゆっくりとしていて,この点でも原猿に似る。主食は果実,昆虫,木の葉など。休息時には木の茂みの中に座り込んで何時間も動かない。雌は育児囊をもち,1産1子らしい。
執筆者:今泉 吉晴
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