出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
動物地理区の一区分。新界に属し、低地メキシコ以南の中央アメリカと南アメリカ、および西インド諸島が含まれる。ほとんどの地域が熱帯に位置しているが、南部は温帯に属する。植生は多彩で、北東部にはアマゾン川流域を中心に広大な熱帯雨林が広がり、その南には熱帯草原、サバナ、熱帯落葉林、熱帯低木林がある。さらに南には温帯草原と半砂漠が広がる。西部を南北にアンデス山脈が走っており、南方では乾燥しているが、南西端近くにはナンキョクブナを主体とする特徴的な冷温帯林が発達している。中央アメリカと南アメリカ北部には、比較的狭い地域内に湿潤林から半砂漠や山岳植生に至るさまざまな植生が混在する。現在は北アメリカ(新北区)と地続きだが、中生代から新生代第三紀まではほかの大陸から隔離されていた。そのため、有袋類のような古い動物群や貧歯類のようにこの地域で放散を遂げた固有度の強い独自の動物群が数多く生息している一方、近年になって北方から侵入した動物群も含む。
固有・準固有な哺乳(ほにゅう)類には、有袋類の2科(オポッサム科、ケーレステス科)、広鼻猿類(オマキザル科、キヌザル科)、貧歯類(アリクイ科、ナマケモノ科、アルマジロ科)、ヤマアラシ亜目に属する11科に上る齧歯(げっし)類、チスイコウモリ科のほか数科のコウモリがいる。鳥類は非常に豊富で、67科を産するが、その約半数はこの地域に固有か、または新世界に限られており、レア科、シギダチョウ科、コンドル科、ハチドリ科、オオガシラ科、オオハシ科、カマドドリ類、タイランチョウ科、マイコドリ科、カザリドリ科などである。爬虫(はちゅう)類ではカメ類とトカゲ類に固有の科があり、ほかにカイマン、ボア、サンゴヘビなど。両生類にはピパ(コモリガエル科)、ツノガエル(レプトダクチュルス科)、リノフリュヌス科が特徴的である。淡水魚には古い固有のグループが多く、コイ目が優勢で、とくにナマズ類には多数の特産の科がある。ほかにハイギョを産する。
[片倉晴雄]
neotropical region
中南米地域を含む動物地理区。古第三紀初頭には新北区と結びついていたが,その後,新第三紀末まで久しく他と隔離されたため動物相は特異性が強い。第四紀初期にパナマ地峡が成立したため,更新世には北米大陸からマストドンなどが南下した。この区は緯度の差と地形変化が大きいため,地方ごとに動物相に大きな差異がみられる。キヌザル・アリクイ・ナマケモノ・アメリカダチョウ・ホウカンチョウ・タランチョウなどが代表的。
執筆者:那須 孝悌・上田 哲郎
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
…魚類では古代魚として知られるガーパイクが生息し,ハイレンなども代表的なものであろう。
[南アメリカ]
メキシコ以南の中央アメリカを含めた南アメリカは,動・植物相ともに生物地理区上の新熱帯区に含まれ,動物では新生代第三紀に他の大陸から隔離されていたために,広鼻猿類,貧歯類,有袋類,ハチドリ類などの仲間の特徴的なものが分布している。植物では旧熱帯区と共通のものも多いが,サボテン科,カンナ科,リュウゼツラン属,キミガヨラン属などの固有種がみられる。…
…動物の地理分布,すなわち各地の動物相は,大陸,島嶼(とうしよ)配置,気候帯,環境などの地史的要因に規制されるが,そういった動物相の特徴を基にした地理的区分。現在では,ヨーロッパ,アジアとアフリカを含めて旧世界,南北アメリカは新世界と呼び,ユーラシア大陸は旧北区,北アメリカは新北区,両者を合わせて全北区とし,アフリカはエチオピア区,インド,南アジアは東洋区,南アメリカは新熱帯区,オーストラリアは太平洋諸島を含めてオーストラリア区と呼ぶのが一般的である。動物地理区分の提唱はスクレーターP.L.Sclaterの鳥類(1858),哺乳類(1894)についてのものが最初で,A.R.ウォーレス(1876),T.H.ハクスリー(1868)などが続いたが,いずれも鳥獣の分類地理学的な検討に基づくものであった(図1)。…
※「新熱帯区」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...