本両替(読み)ホンリョウガエ

デジタル大辞泉 「本両替」の意味・読み・例文・類語

ほん‐りょうがえ〔‐リヤウがヘ〕【本両替】

江戸時代、主として金銀を取り扱った、信用資力の大きな両替商

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精選版 日本国語大辞典 「本両替」の意味・読み・例文・類語

ほん‐りょうがえ‥リャウがへ【本両替】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、主として金銀を取り扱った、信用・資力の大きな両替屋。その業務はしだいに拡張し、預金の受け入れ、金銀の貸付手形小切手振出為替の取り組みなどにおよび、現在の銀行業務とほとんど同じとなった。また、臨時に新旧金銀の引替、金銀市価の調節米価調節のための米買上、幕府諸侯財政の繰り回しなども行なった。本仲間両替。本仲間。〔富之礎(1911)〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「本両替」の意味・わかりやすい解説

本両替
ほんりょうがえ

江戸時代の両替商の一つ。主として金銀を取扱い,資本,信用の大きいものが多かった。大坂の本両替は金銀売買,貸付け,手形振出し,預金,両替などを行うほか,諸藩の掛屋蔵元を兼ねる者が多く大名貸により藩財政の死命を制し巨富をたくわえた。その数は享保期 (1716~36) で三百数十軒,幕末には百数十軒ほどで,本両替仲間を組織し,仲間から選ばれた十人両替は全両替商を支配した。江戸の本両替は大坂に比べ数も少く,最盛時で 40軒,中期以降は銭屋 (→銭両替 ) の進出に押されて幕末には4~5軒に減少した。その業務も大坂のような金融機関的性格は弱く,公金取扱い,両替業務がおもだった。

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百科事典マイペディア 「本両替」の意味・わかりやすい解説

本両替【ほんりょうがえ】

江戸時代の金融業者。銭(ぜに)両替に対する語。金銀両替など本来の両替業務のほか,預金・貸出しなどを行った。富商が多く,金銀相場の調節や御用金の調達を行い,掛屋蔵元となって幕藩財政の上で重要な地位を占めた。
→関連項目大名貸両替商

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「本両替」の解説

本両替
ほんりょうがえ

近世に金銀の交換・売買を基本に,より高度の金融業務をも行って幕府の御用を勤めた両替屋。成立時期は,江戸が1657年(明暦3)以前,大坂が70年(寛文10)頃,京都が1718年(享保3)で,三井・鴻池など新興両替商の台頭とともに,新古金銀引替えや金銀相場書上げなど幕府への協力を契機として,仲間を組織した。最も発達した大坂では200~300人前後いて,得意先商人から預金をうけ入れ,手形を振り出し,回収し,為替を取り組んで商業信用を供与し,商人・領主に貸付けを行うなど,主要な銀行業務をすでに行っている。京都・江戸では正貨の取引と公金取扱いが中心となり,京都は50~180人,江戸は1~40人と少ない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「本両替」の意味・わかりやすい解説

本両替
ほんりょうがえ

江戸時代、主として金銀を取り扱った信用・資力の大きな両替屋。小資本の銭見世(ぜにみせ)(銭両替)に対する。

[編集部]

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旺文社日本史事典 三訂版 「本両替」の解説

本両替
ほんりょうがえ

江戸時代,金銀の取扱いを主とした両替商
金銀の両替のほか預金・貸付け・為替・手形発行などを行った。大坂では十人両替のもと120軒の本両替があり,江戸・京都でも発達した。

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世界大百科事典(旧版)内の本両替の言及

【両替】より

…両替屋名称の公認はこの年のことである。大坂には幕府公金の出納・貸付けを担当した十人両替,本両替(仲間両替),銭売買のみを務めた銭両替(南両替,三郷銭屋仲間)がいた。3者の間には上下関係,取締り関係がある。…

※「本両替」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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