始終(読み)シジュウ

デジタル大辞泉の解説

し‐じゅう【始終】

[名]
物事の始めと終わり。
「―本末を思考せずして事を起こす者は」〈織田訳・花柳春話
事柄の成り行きの、始めから終わりまでの全部。「事件の始終を語る」「一部始終
始めから終わりまで態度・状態などを変えないで通すこと。また、変わらないで同一になること。
「生民の為に身命を犠牲に供し、道義の為に―するに」〈東海散士佳人之奇遇
最後。結末。
「いかに申すとも―のことはかなふまじ」〈平家・一〉
[副]
絶え間ないさま。頻繁に行われるさま。いつも。しょっちゅう。「始終監視されている」「仕事もせずに始終ぶらぶらしている」
終わりには。結局は。
「寄せ手は大勢なり。城の構へ未だこしらへず、―いかがあるべからん」〈太平記・二九〉

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大辞林 第三版の解説

しじゅう【始終】

( 名 )
始めと終わり。また、始めから終わりまでの事柄。すべて。 「一部-を物語る」
事の経緯。事情。 「事の-を気取られては/当世書生気質 逍遥
行く末。将来。 「 -よかるべしともおぼえず/平家 2
事の終わり。結末。 「 -の勝こそ肝要にて候へ/太平記 16
( 副 )
行為が切れ目なく続くさま。同じ行為が幾度も繰り返されるさま。たえず。いつも。 「 -本を読んでいる」 「 -文句を言っている」 「 -黙然としてゐる/社会百面相 魯庵
終わりには。結局。 「 -かなふべしともおぼえず/平治

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

し‐じゅう【始終】

[1] 〘名〙
① 始めと終わり。
※勝鬘経義疏(611)歎仏真実功徳章「如是者、総挙一教之始終
※山陽詩鈔(1833)一・癸丑歳偶作「天地無始終、人生有生死」 〔史記‐秦始皇本紀〕
② 始めから終わりまでの事柄。事の経過。事情。
※今昔(1120頃か)三「其国の大王、迦膩色迦(かにしか)王の御許に行て、此事の始終(しじう)を申に」
※おぼろ夜(1899)〈斎藤緑雨〉「ぼつりぼつりとおもひ出すやうに始終(シジフ)を告げしに」
③ (━する) 始めから終わりまでいっしょにすること。
※足利本論語抄(16C)学而第一「慎とは朋友と知音せば始終すべきぞ」
④ 行く末。将来。また、終生。生涯。
※平家(13C前)二「しばらく宿所におき奉れとの給ひつれども、始終よかるべしともおぼえず」
⑤ 最後。結末。事の終わり。
※平家(13C前)一「いかに申すとも始終の事はかなふまじ」
※ゆく年(1928‐29)〈久保田万太郎〉一「わかりもしねえ相場なんぞに手を出せば始終はさうなるのがあたりめえだ」
[2] 〘副〙
① 始めから終わりまで。また、ある動作が頻繁に行なわれるさまを表わす。たえず。常に。
※源平盛衰記(14C前)九「伊弉諾、伊弉尊より、百王の今に至るまで、始終(シジウ)神国として」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一「厭味文句を並べて始終肝癪の思入」
② 最後には。ついに。結局。
※正法眼蔵随聞記(1235‐38)四「たとひ一旦は果報もよく、家をたもてる様なれども、始終あしき也」

はじめ‐おわり ‥をはり【始終】

〘名〙
① 始めと終わり。もとすえ。あとさき。
※古今(905‐914)仮名序宇治山の僧きせんはことばかすかにして、はじめをはり、たしかならず」
② 始めから終わりまでの事情。一部始終
仮名草子・恨の介(1609‐17頃)上「この君の御ゆかり、はじめをはりの事どもを、いろいろ語りければ」

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