出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
滋賀県近江八幡(おうみはちまん)市安土町桑実寺(あづちちょうくわのみじ)にある天台宗の寺。433メートルの繖山(きぬがさざん)の中腹にある。677年(天武天皇6)、天智(てんじ)天皇の勅願により、藤原鎌足(かまたり)の子、定恵(じょうえ)によって創建されたと伝える。寺名の由来は、定恵が唐から持ち帰った桑の実を植えて養蚕を教えた因縁による。歴朝の祈願道場として栄えたが、しだいに荒廃し、1576年(天正4)安土城を造築した織田信長によって再興された。江戸後期以降、火災や暴風雨により諸堂を失い、現在、桃山期の建築様式を示す本堂(国の重要文化財)、開山堂などがある。本尊の薬師如来(やくしにょらい)は地域では桑峯(くわみね)薬師と称し、難病救済の霊像として信仰されている。薬師如来の霊験(れいげん)を描いた絵巻『桑実寺縁起』2巻があり、国の重要文化財に指定されている。
[塩入良道]
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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