日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブーケ」の意味・わかりやすい解説
ブーケ
ぶーけ
bouquet フランス語
花束のこと。生花や造花でつくった贈り物用あるいはアクセサリー用の花束。花束風の房飾り。紀元前600年ごろ古代ギリシアでは神々を象徴する花を定め、祭礼のときには神の像の頭上に、その花でつくった花輪の冠をのせた。ローマ時代は宗教的儀式や祭りに多く用いられ、ビザンティン世界、ルネッサンス、バロック、ロココ時代へと、社会背景とともに、色彩、デザインも発展した。ブーケのスタイルには、キャスケード(滝形)、ラウンド(丸形)、クレッセント(三日月形)、バスケット(籠(かご)形)、パラソル(日傘形)、ファン(扇形)、ボール(球形)、リボン(蝶(ちょう)結び形)、リング(輪形)スタイルなどがある。また、女性が胸につける小さいものをコサージュcorsageと称し、区別している。
[市川久美子]