桜〔櫻〕(読み)オウ

デジタル大辞泉の解説

おう【桜〔櫻〕】[漢字項目]

[音]オウ(アウ)(漢) [訓]さくら
学習漢字]5年
〈オウ〉
木の名。サクラ。「桜花観桜
木の名。ミザクラ。「桜桃(おうとう)
〈さくら(ざくら)〉「桜色葉桜山桜夜桜彼岸桜八重桜
[難読]桜桃(さくらんぼ)

さくら【桜】

バラ科サクラ属の落葉高木の総称。日本の代表的な花として、古来、広く親しまれている。ヤマザクラサトザクラオオシマザクラなど種類は多く、園芸品種も多い。現在多く植えられているのはソメイヨシノ。花は春に咲き、淡紅色・白色など。古くから和歌の題材とされ、単に花といえば桜をさし、かざしぐさ・あだなぐさ・たむけぐさなどともよばれた。花は塩漬けにして桜湯に、葉は塩漬けにして桜餅に用いられ、またミザクラの実は食用。樹皮は漢方で薬用。木材は家具・建築用。 花=春 実=夏》「宵浅くふりいでし雨の―かな/万太郎
桜色」の略。
桜襲(さくらがさね)」の略。
芝居などで、ただで見物するかわりに、頼まれて役者に声をかける者。転じて、露店商などの仲間で、客のふりをし、品物を褒めたり買ったりして客に買い気を起こさせる者。
《色が桜の花に似ているところから》馬肉俗称桜肉
紋所の名。桜の花を図案化したもの。

さくら【桜】[さいたま市の区]

さいたま市の区名。市の南西部、荒川左岸を占め、埼玉大学、桜草公園などがある。

さくら[列車]

山陽新幹線九州新幹線で運行されている特別急行列車愛称。平成23年(2011)運行開始。多くは新大阪・鹿児島中央駅間を往復するが、一部は広島駅などで発着

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世界大百科事典 第2版の解説

さくら【桜】

茨城県南部,新治(にいはり)郡の旧村。1987年谷田部,豊里,大穂3町と合体,つくば市となる。土浦市の西に接し,筑波台地と桜川沿岸の低地を占める。筑波研究学園都市の中心地域で,総面積の約1/3を占める西部の研究学園地区には,筑波大学や宇宙開発事業団筑波宇宙センターなどが立地するほか,住居,宿泊施設の増加が著しく,都市化が進んでいる。人口は研究学園都市建設以前の1万人弱から10年間で3倍以上ふえ,1985年には人口数4万1335で日本一の村となった。

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大辞林 第三版の解説

さくら【桜】

バラ科サクラ属の落葉高木または低木。北半球の温帯と暖帯に分布し20~30種がある。日本に最も種類が多く、奈良時代から栽植され、園芸品種も多い。春、葉に先立ちまたは同時に開花。花は淡紅色ないし白色の五弁花で、八重咲きのものもある。西洋実桜みざくらの実はサクランボといい、食用。材は器具・版木・薪炭用。重弁の花を塩漬けにして桜湯として飲み、葉は桜餅に使用。染井吉野が代表的であるが、山桜・江戸彼岸・大島桜・八重桜も各地に植えられている。日本の国花。 [季] 春。
馬肉の俗称。
「桜色」の略。
露店などで、客の買い気をそそるため、客のふりをして買い物をする売り手仲間。 〔「ただで見る」の意から芝居の無料見物人の意となり、そこから生じたという〕
「桜襲がさね」の略。
家紋の一。の花、花と枝葉をかたどったもの。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


さくら

茨城県つくば市南東部の地区。旧桜村。1987年(昭和62)筑波郡谷田部(やたべ)、豊里(とよさと)、大穂(おおほ)の3町と合併、市制施行してつくば市となった。筑波(つくば)台地と桜川沿岸低地からなる。国道354号、408号(学園西大通り)、学園東大通りなど道路網は整備された。江戸時代は天領・旗本領、土浦藩、麻生(あそう)藩などに分割されていた。農業が主で、ネギ、ハクサイ、キャベツなどの野菜生産が多い。村域の西部は筑波研究学園都市区域の中央部を占め、筑波大学や産業技術総合研究所(旧、工業技術院)の諸研究所と公務員住宅団地があり、都市環境が整備されている。国指定重要文化財大塚家住宅がある。[櫻井明俊]

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動植物名よみかた辞典 普及版の解説

桜 (サクラ)

植物。バラ科サクラ属の落葉高木の総称

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精選版 日本国語大辞典の解説

さくら【桜】

[1] 〘名〙
① バラ科サクラ属のうちの一群。落葉高木または低木。北半球の温帯ないし暖帯に分布し、特に東アジアに多く、数十の野生種がある。花はふつう春に咲き、葉の展開に先だって開くことが多い。淡紅・白などの美しい五弁花で、八重咲きのものもある。古くから和歌や絵画にとり上げられ、現在日本の国花とされる。観賞用に古くから栽培され江戸時代以来おびただしい数の園芸品種が作られた。材は版木、家具、建築、造船などに使い、樹皮は強靱なので細工物に用いたり、曲物(まげもの)の綴じ目に用いたりするほか、漢方で鎮咳(ちんがい)、袪痰(きょたん)薬に用いる。塩漬けにした花や蕾は桜湯にして飲み、ミザクラ(オウトウ)の実はサクランボと称して食用にする。ヤマザクラ、サトザクラ、オオシマザクラ、ソメイヨシノ、エドヒガン、ヒガンザクラなど。《季・春》
※書紀(720)允恭八年二月・歌謡「花妙(ぐは)し 佐区羅(サクラ)の愛(め)で こと愛でば 早くは愛でず 我が愛づる子ら」
※古今(905‐914)春上・五三「世中にたえてさくらのなかりせば春の心はのどけからまし〈在原業平〉」
② ①の木材。材質は緻密で、家具材・器具材・船材などに用いられる。江戸時代には版木としても用いられた。桜の木。〔大和本草(1709)〕
③ 「さくらがわ(桜皮)」の略。
※雑俳・柳多留‐一五〇(1838‐40)「酒は梅肴さくらで酔がさめ」
※宇津保(970‐999頃)楼上上「御料に、いと濃き袿一襲、薄き蘇枋の綾の袿、さくらの織物の直衣、つつじの織物の指貫など」
※枕(10C終)八三「さくらの直衣のいみじくはなばなと、裏のつやなど、えもいはずきよらなるに」
⑤ 桜の花を図案化したもの。桜の花の模様。桜模様。
※たまきはる(1219)「さくらのちりばな織りうかし、にしき、織り物の裳唐衣などにも」
⑥ 紋所の名。桜の花を図案化したもの。桜、山桜、細川桜、大和桜、裏桜、桜井桜、浮線桜(ふせんざくら)、三つ割り桜、八重桜などがある。
⑦ (色が桜色であるところから) 馬肉のこと。さくらにく。
※道程(1914)〈高村光太郎〉夏の夜の食慾「ビフテキの皿に馬肉(ばにく)を盛る 泡のういた馬肉(サクラ)の繊維」
⑧ (桜の花の刻印があるところから) 天保一分銀の異称。
※人情本・柳之横櫛(1853頃)初「時に若旦那毎度まうし兼ましたが一寸額銀(サクラ)を三分(みっつ)ばかりお借なすって下さいませんか」
⑨ 上方の遊里で、遊女の階級である小天神(こてんじん)の異称。
※浮世草子・好色産毛(1695頃)一「門松の部の太夫職、梅が香は桜に勝、太夫天神と二木の名に呼れ」
⑩ 「さくらゆ(桜湯)」の略。
※歌舞伎・綴合於伝仮名書(高橋お伝)(1879)六幕「『甘いのはいかねえから、桜湯を一杯くんねえ』『ハイハイ、姉さん桜(サクラ)を上げて下さいましよ』」
⑪ 花札で、桜の花の絵が描いてある札の称。
※玄鶴山房(1927)〈芥川龍之介〉五「彼は或夜の夢の中にはまだ新しい花札の『桜(サクラ)の二十』と話してゐた」
⑫ 魚のひれの部分の名。背びれの中程の部分をいう。
⑬ 江戸時代の劇場で、頼まれて役者に声をかける者などを入れるための特別の桟敷。また、その者。太郎桟敷。
※南水漫遊拾遺(1820頃)四「さくら 客にうらぬ太郎桟敷」
⑭ 露店などの、業者の仲間で、客を装って品物を買ったりほめたりして他の客の購買心をそそる者。また、なれあいをいう俗語。
※尾府刑法規則‐寛政元年(1789)一〇月「てら博奕打之内、さくらに被頼候者も、てらと申儀承知に候得ば、本人同様、無差別、御仕置可申付事」
⑮ ある人に頼まれて、その人の都合のいいような役回りを引き受けること。また、その人。
※漫才読本(1936)〈横山エンタツ〉あきれた連中「ついては、石田君に、公衆の一人として、つまり『サクラ』になって、その実験をして欲しい」
⑯ (「佐倉」に「桜」を当てたもの) =さくらずみ(佐倉炭)
※雑俳・柳多留‐一〇(1775)「ふきがらは桜の中でいぶり出し」
⑰ 「さこん(左近)の桜」の略。
※雑俳・柳多留‐一三(1778)「そのくらさ早太さくらにつっかかり」
[2]
[一] 平曲の冒頭に語られる一句の曲名。桜町中納言が泰山府君(たいざんふくん)に祈って桜の花の命を延ばしたという内容。琵琶法師が平家物語を語る際に、かならず最初にこれを語ったという。
[二] 箏曲。初心者の手ほどきに用いられる小曲。作曲者不明。明治時代、文部省で「咲いた桜」の古謡を改作し、「さくら、さくら、彌生の空は…」の歌詞を定めて「箏曲集第一編」(東京音楽学校)におさめた。さくらさくら。
[三] 東京、長崎間に運行された寝台特急列車(ブルートレーン)の愛称。もと、大正一二~昭和一七年(一九二三‐四二)、東京と下関との間に運行されていた特別急行列車を昭和四年(一九二九)に命名したのが始まり。同三四年に復活し、平成一七年(二〇〇五)に廃止。
[四] さいたま市の行政区の一つ。平成一五年(二〇〇三)成立。市南西部、荒川左岸を占め、埼玉大学、さくらそう公園などがある。
[五] (さくら) 栃木県中部の地名。氏家、喜連川は奥州街道の宿場として栄えた。平成一七年(二〇〇五)市制。

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