(読み)ラン

デジタル大辞泉 「欄」の意味・読み・例文・類語

らん【欄】[漢字項目]

常用漢字] [音]ラン(呉)(漢) [訓]おばしま
てすり。おばしま。「欄干勾欄こうらん高欄朱欄
木を横に渡した囲い。「欄井
紙面の、区分された部分。「欄外空欄・上欄・本欄文芸欄

らん【欄】

印刷物の紙面上の、区切られた一定の部分。特に、けいで囲まれた部分。「答えは左のに記入せよ」
新聞・書籍雑誌などで、決まった記事を載せる区切られた一定の部分。「投書
てすり。欄干。
狗児―に戯れて」〈織田訳・花柳春話
[類語]囲みコラム

おばしま【欄】

てすり。欄干。
楼上の―に干したる敷布襦袢はだぎなどまだ取入れぬ人家」〈鴎外舞姫

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「欄」の意味・読み・例文・類語

らん【欄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. てすり。らんかん。おばしま。また、かき。柵。かこい。〔十巻本和名抄(934頃)〕 〔呉志‐陸遜伝〕
  3. ( かこいの意から ) 書籍・新聞紙などの紙面にある周囲のわく。また、新聞・雑誌などの記事、文章などを、その種類に応じて分けた区画。小説欄、投書欄、広告欄など。
    1. [初出の実例]「右の法則の第一たる主客に関する議論の如きはおのれ特別に欄(ラン)を設けて仔細に説明なすべければ」(出典小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉下)

おばしま【欄】

  1. 〘 名詞 〙 欄干(らんかん)。てすり。また、それの付いているもの。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「玉座に餝(かざり)二つの矢恭々敷(うやうやしく)携へて、階(オバシマ)近くおり立ち給ひ」(出典:浄瑠璃神霊矢口渡(1770)一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「欄」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 20画

(旧字)
人名用漢字 21画

[字音] ラン
[字訓] てすり・おばしま

[説文解字]

[字形] 形声
声符は闌(らん)。〔説文〕六上に楝(れん)を正字とするが、楝は木の名で、おうちの木。いま欄と別義の字として用いる。〔玉〕に「檻(らんかん)なり」とあって、建物のてすり。もと遮閉(しやへい)する垣根を意味し、また牢閑(おり)や井げたの木組みをいう。印刷の本文の部分を黒い線で囲むのを烏糸欄(うしらん)といい、その外の余白を欄外という。

[訓義]
1. てすり、おばしま。
2. おり、牛馬のおり。
3. かき、しきりのかき、いげた。
4. 木蘭。
5. 楝(れん)と通じ、おうち。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕 辨色立に云ふ、額、波之良沼岐(はしらぬき)〔字鏡集〕 イヌフセギ・ハシラヌキ・マセ

[語系]
・闌・lanは同声。門のしきりを闌といい、建物の周囲に施すものをといい、遮る行為をという。

[熟語]
欄角・欄干・欄檻・欄騎・欄廐・欄柵・欄井・欄馬・欄畔・欄辺・欄牢
[下接語]
画欄・危欄・牛欄・玉欄・空欄・勾欄・句欄・高欄・遮欄・朱欄・上欄・井欄・殿欄・馬欄・兵欄・木欄

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

図書館情報学用語辞典 第5版 「欄」の解説

横組の図書や雑誌において,1ページの版面を縦に二つ以上に分割して版を組んである場合の,分割された各々の部分.ページ付けの代わりに,欄に番号付けがされることもある.縦組の場合は,横に分割し,それぞれを段という.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android