気象警報(読み)キショウケイホウ

デジタル大辞泉 「気象警報」の意味・読み・例文・類語

きしょう‐けいほう〔キシヤウ‐〕【気象警報】

重大な災害が起こるおそれがある気象の状態のときに、気象台が発表する警報大雨警報洪水警報大雪警報暴風警報暴風雪警報波浪警報高潮警報の7種類がある。→気象注意報
[補説]十年に一度しか起こらないような猛烈な豪雨や暴風など、通常の警報の発表基準をはるかに超える異常な気象現象が予想される場合は、「大雨特別警報」などの特別警報が発表される。

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精選版 日本国語大辞典 「気象警報」の意味・読み・例文・類語

きしょう‐けいほうキシャウ‥【気象警報】

  1. 〘 名詞 〙 大きな災害が起こると予想される気象現象が生じたとき、一般の人や関係機関の注意をうながし警告するために、測候所または気象台が発表する気象の現況とその予報。暴風雨警報大雨警報、洪水警報、暴風雨高潮警報、津波警報など。
    1. [初出の実例]「気象警報の信号標高く其頂上に建つの山を見ん」(出典:風俗画報‐三一〇号(1905)地理門)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「気象警報」の意味・わかりやすい解説

気象警報
きしょうけいほう

気象業務法(昭和27年法律165号)では、観測の成果に基づく現象の予想の発表を予報といい、重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報を警報というとされている。そして同法施行令で、気象警報とは暴風雨、暴風雪、大雨、大雪などに関する警報である、と定められている。気象庁では、この四つのほかに、高潮警報、波浪警報、洪水警報なども行っている。これらの警報は、単独で行われることもあるし、暴風・高潮警報というように2種以上が同時に行われることもある。

 気象に関する警報には、見出し的警告文が本文に前置され、「いつ」「どこで」「どんな現象があるか」が簡潔に示される。この見出し的警告文は、48文字以内で表現される。気象の状態が急激に変化して緊急に警報を行う必要がある場合には、この見出し的警告文のみが発表され、本文が略される。

 風の場合、平均風速が毎秒20メートルを超えると予想されたときに警報を行うという、おおまかな基準がある。しかし、風と災害の関係には地域差があるため、予報区ごとに警報を行うべき風速の基準の値が定められている。

 雨、雪、高潮などのその他の要素についても、それぞれについて予報区ごとに基準の値が定められている。各予報区担当気象官署は、現象が基準の値を超えると予想した場合には、ただちに警報を行う。

 なお、気象に関しての注意報も予報の一つであり、災害が起こるおそれがある場合に、その旨を注意して行う。その基準の値は、警報よりも低く定められている(たとえば、風の場合は平均風速がおおむね毎秒10メートル以上)。風雪強風、大雨、大雪、高潮、波浪、洪水などがある。濃霧、乾燥、雷、雪崩(なだれ)、霜などについては、警報は行われないが、注意報は行われる。

 また別に、気象庁の行う警報には津波警報がある。津波は、気象が起因となる現象ではなく、地震に伴うものであるので、気象警報という分類には含まれない。

[平塚和夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気象警報」の意味・わかりやすい解説

気象警報
きしょうけいほう
weather warning

気象が原因で,重大な災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけるために気象庁から発表される警報。気象注意報との違いは,対象が「重大な災害」(警報)であるか「災害」(注意報)であるかであり,発表基準となる気象要素の数値(たとえば,大雨警報は 1時間に 50mm,大雨注意報は 1時間に 30mmなど)が異なる。警報の対象は陸上だが,沿岸 20海里(約 37km)以内の海上も含まれる。警報には,大雨警報洪水警報大雪警報暴風警報暴風雪警報波浪警報高潮警報の 7種類があり,雨量や風速,気温などの気象要素が,それぞれ市町村ごとに設けられた基準に達すると予想されたときに発表される。地震や火山の噴火等の影響で地盤がゆるんでいるなどの場合には,該当する警報の発表基準を暫定的に引き下げて運用することもある。なお,土砂災害の危険性がよりいっそう高まった場合には土砂災害警戒情報が発表される。気象庁から発表される警報は,発表時刻,発表官署,標題,注意警戒文,発表(変更)状況,量的予想等から構成されるが,テレビやラジオでは画面上または時間的な理由で標題のみ放送されることが多い。なお,警報および注意報は,2010年5月27日から市町村別に細分して発表されるようになった。航空機を対象とした飛行場警報や,船舶を対象にした海上警報もあり,警報や注意報を補完する気象情報が発表されることもある。

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改訂新版 世界大百科事典 「気象警報」の意味・わかりやすい解説

気象警報 (きしょうけいほう)

暴風や豪雨,豪雪などの気象現象によって重大な災害が発生するおそれのあるとき,気象庁または気象台から発表される情報の一つで,単に警報ともいう。気象現象の種類によって暴風雨警報,暴風雪警報,大雨警報,大雪警報に分けられる。警報を出す風速,雨量,積雪量は地域,季節などで違うが,最大風速20m/s,1時間雨量50mm,降雪量50cmが一つの目安になる。
気象注意報 →警報
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知恵蔵 「気象警報」の解説

気象警報

気象注意報」のページをご覧ください。

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百科事典マイペディア 「気象警報」の意味・わかりやすい解説

気象警報【きしょうけいほう】

重大な気象災害が予想されるとき発表される気象の現況と予報。気象庁または気象台が発表するが,大島,八丈島など指定地区測候所の発するものもある。気象現象の種類によって暴風警報,大雨警報,大雪警報などがある。だいたい,暴風は風速が毎秒20m以上,大雨は100mm以上の降雨,大雪は北海道で70cm,内地で20〜30cm以上が予想されるときに出す。→気象注意報

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世界大百科事典(旧版)内の気象警報の言及

【警報】より

…気象警報,津波警報,火災警報など自然現象だけではなく,広義には空襲警報のように人為的な原因によって被害が生ずると予想される時,注意をうながすために出される情報をいう。したがって目的,通知する対象により,内容,警報を出す責任機関なども違ってくる。…

※「気象警報」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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