気象業務法(昭和27年法律165号)では、観測の成果に基づく現象の予想の発表を予報といい、重大な災害の起こるおそれのある旨を警告して行う予報を警報というとされている。そして同法施行令で、気象警報とは暴風雨、暴風雪、大雨、大雪などに関する警報である、と定められている。気象庁では、この四つのほかに、高潮警報、波浪警報、洪水警報なども行っている。これらの警報は、単独で行われることもあるし、暴風・高潮警報というように2種以上が同時に行われることもある。
気象に関する警報には、見出し的警告文が本文に前置され、「いつ」「どこで」「どんな現象があるか」が簡潔に示される。この見出し的警告文は、48文字以内で表現される。気象の状態が急激に変化して緊急に警報を行う必要がある場合には、この見出し的警告文のみが発表され、本文が略される。
風の場合、平均風速が毎秒20メートルを超えると予想されたときに警報を行うという、おおまかな基準がある。しかし、風と災害の関係には地域差があるため、予報区ごとに警報を行うべき風速の基準の値が定められている。
雨、雪、高潮などのその他の要素についても、それぞれについて予報区ごとに基準の値が定められている。各予報区担当気象官署は、現象が基準の値を超えると予想した場合には、ただちに警報を行う。
なお、気象に関しての注意報も予報の一つであり、災害が起こるおそれがある場合に、その旨を注意して行う。その基準の値は、警報よりも低く定められている(たとえば、風の場合は平均風速がおおむね毎秒10メートル以上)。風雪、強風、大雨、大雪、高潮、波浪、洪水などがある。濃霧、乾燥、雷、雪崩(なだれ)、霜などについては、警報は行われないが、注意報は行われる。
また別に、気象庁の行う警報には津波警報がある。津波は、気象が起因となる現象ではなく、地震に伴うものであるので、気象警報という分類には含まれない。
[平塚和夫]
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…気象警報,津波警報,火災警報など自然現象だけではなく,広義には空襲警報のように人為的な原因によって被害が生ずると予想される時,注意をうながすために出される情報をいう。したがって目的,通知する対象により,内容,警報を出す責任機関なども違ってくる。…
※「気象警報」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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