出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
河床が周囲の平野面より高い河川をいう。河川が山地から平地に流出するとき,特に扇状地では河道の移動が著しく,はんらんして多量の砂礫を周囲に堆積させるので,耕地などをはんらんから守るために河道を堤防で固定すると,堤外地(河道側)に砂礫の堆積が進み,河床が高くなってはんらんの危険性が高まる。さらに堤防を高くしても河床の上昇は続くので,その後も堤防のかさ上げが必要となり,周囲の平野面よりも河床が高い河川が形成される。天井川は山地の開発により砂礫の供給量が急激に増加した場合にも形成されやすい。したがって,天井川は人間が直接手を下して形成した地形ではないが,人間の作用が間接的に働いて形成される地形であり,人工地形の一つといえる。平野下流部にみられる0m地帯では,地盤沈下により地表面が低下し,水面よりも低くなり,河道や水路は天井川化している。
執筆者:松田 磐余
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
raised bed river
堤防に挟まれている流路に多量の砂礫が堆積し,河床面が平野面より高くなった河川。河床面が高くなったため堤防を高くすると,さらに堆積が進み,平野との比高は大となる。この意味で,天井川は人工的な地形である。扇状地の河川や,崩壊しやすい岩石の山地から流出する河川は,運搬する土砂や礫が多く天井川となりやすい。前者としては富山県の常願寺川,後者としては近江盆地の草津川,前者と後者の組み合わさったものとしては六甲山麓の河川があり,最大比高は8mに達する。
執筆者:中山 正民
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
河床の高さが周囲の平野面より高くなった川。平野部で洪水を防ぐ目的で堤防を建設し、河道を固定化すると堤防間の河道で堆積(たいせき)が進み、平野への氾濫(はんらん)を防ぐために堤防をかさ上げするためにさらに河床が高まる。扇状地や背後に崩れやすい岩石からなる山地を有する川は荷重が多く、このような人工的地形をつくりやすい。富山県の常願寺川、滋賀県の草津川と愛知(えち)川などは好例で、中国の黄河では最大比高が10メートルに達する。
[髙山茂美]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…水害の危険から身を守るため,人々は堤防を建設するが,そのことは河道の固定を意味し,土砂の堆積は河道内に限定されるようになる。その結果,周囲に比べて河床が著しく上昇し,天井川が形成される。扇状地を流れる河川の多くは天井川化しており,愛媛県東予市を流れる大明神川のように,川の下を鉄道トンネルが通るといった例もある。…
…山土の流亡はことに地質的に粘土質に乏しい花コウ岩の深層風化や第三紀の砂礫層で構成された丘陵に著しく,もっとも著しいのは近畿地方の諸盆地をめぐる山々と瀬戸内海沿岸部とであった。これら丘陵から流下する土砂によって,多くの河川は河道が高まりいわゆる天井川を形成し,洪水によって氾濫しまた沿岸耕地を湿地化するなどの影響がはなはだしかった。こうした丘陵地に砂防工事が施され,はげ山景観がほとんど消滅したのは,造林事業と燃料,肥料の変化に伴う,1960年以降の現象といえる。…
※「天井川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 春の季節がもうすぐそこまで来ていること。《 季語・冬 》 〔俳諧・俳諧四季部類(1780)〕[初出の実例]「盆栽の橙黄なり春隣〈守水老〉」(出典:春夏秋冬‐冬(1903)〈河東碧梧桐・高...