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没官 もっかん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

没官
もっかん

律による刑罰の一種。重罪を犯した者の所領,財産,家人などを朝廷が没収すること。その規定と適用は種々複雑であった。没官となった人間は奴婢 (ぬひ) とされ,没収した所領を没官領と称した。 (→平家没官領 )

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デジタル大辞泉の解説

ぼっ‐かん〔‐クワン〕【没官】

官職を取り上げること。
もっかん(没官)

もっ‐かん〔‐クワン〕【没官】

犯罪者やその家族・土地・財産などを官に没収すること。における形罰で、謀反(むへん)大逆を犯した者の父子・家人は官戸公奴婢とされ、資財田宅などは没収された。ぼっかん。

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世界大百科事典 第2版の解説

もっかん【没官】

律における刑罰で人身または物品を官に没収すること。(1)人身の没官。謀反・大逆の罪の縁坐として科される刑罰で,その身を官に没収して賤民とする(官戸)。前記の罪を犯した者の父子および家人(けにん)が没官の対象となるが,日本律におけるその対象の範囲は,唐律にくらべて大幅に縮小されている。人身の没官は,刑罰体系上,絞と遠流の中間に位置する。(2)物品の没官。さらに次の3種があるが,いずれも付加刑である。(a)彼此俱罪の贓。

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大辞林 第三版の解説

ぼっかん【没官】

官を取り上げること。
もっかん(没官)」に同じ。

もっかん【没官】

〔「ぼっかん」とも〕
刑罰として人身または物品を官に没収すること。律では謀反や大逆罪など重罪を犯した者に科される付加刑罰で、その父子・家人・田宅・資財を官に取り上げること。人身の場合は官奴婢とし、没収された土地は没官領といった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

没官
もっかん

人や物品・財産を官に没収すること。律の刑罰の一つで、普通付加刑といわれるが、人については主刑となる。人の場合、謀反(むへん)・大逆を犯した者の父子と家人は、年80以上、篤疾(とくしつ)者を除き没官されて官戸・官奴婢(ぬひ)となる。物品・財産の没官には、受財枉法(おうほう)などの場合の彼比倶罪(ひしぐざい)の贓(ぞう)、私有を禁止された兵器・禁書など犯禁物、謀反・大逆の犯罪者の財産の3種がある。母法の唐律では謀反・大逆の場合、父と年16以上の子が絞(こう)、15以下の子、母、女、妻妾(さいしょう)、子の妻妾、祖孫、兄弟姉妹が没官と規定し、日本に比べ刑が重く、没官の範囲もはるかに広い。『魏志倭人伝』(ぎしわじんでん)に「其犯法、軽者没其妻子……」とみえ、『古事記』『日本書紀』に類似記事があり、伝統的刑罰の一種とみられる。740年(天平12)の藤原広嗣(ひろつぐ)の事件に際する「没官五人」などの例もある。また、類語に没官地、没官領などがあり、1183年(寿永2)後白河(ごしらかわ)院による平家追討時の平家没官領などの事例がある。[菊池克美]

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世界大百科事典内の没官の言及

【没官領】より

…平安時代後期以降,国家反逆罪に対し,付加刑として国家すなわち官に没収された所領をいう。《古事記》や《日本書紀》には,すでに大和王権が地方豪族の土地・財産を没収する慣習法がみられ,奈良時代以降は律によって,国家反逆罪中最も重い天皇に危害を加える謀反(むへん)と宮城・陵墓を破壊する大逆(だいぎやく)とに,付加刑として父子田宅資財を没官する規定が設けられ,実施されてもいたが,それらは必ずしも土地が中心でなく,土地であっても〈領〉とよばれることはなかったので,通常没官領とはいわない。しかし,平安時代後期以降,社会が世襲される所領によって骨格づけられ,所領没収が重刑事犯罪一般にも適用される傾向が広がると,朝廷は上記の国家反逆罪に対する没官を,所領を主対象として積極的に展開するようになり,そのさい没官される所領を没官領とよぶようになった。…

※「没官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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