(読み)ボツ

デジタル大辞泉 「没」の意味・読み・例文・類語

ぼつ【没】

[名]
(「歿」とも書く)死ぬこと。「昭和三年
《「没書」の略》原稿などを採用しないこと。「投書にする」
[接頭]名詞に付いて、それがない意を表す。「個性」「交渉」「趣味」
[類語]1/(2駄目おじゃん台無しふい無駄空中分解挫折くたびれもうけおしまいわやパンク余計余分蛇足だそく不必要不要不用無用無益あだいたずら徒労不毛無駄足無駄骨無駄骨折り骨折り損不経済二度手間無くもがなあらずもがな無にする無になる無に帰する水泡に帰する水の泡

ぼつ【没】[漢字項目]

常用漢字] [音]ボツ(漢) モツ(呉)
深く沈みこむ。隠れて見えなくなる。「没落陥没出没水没沈没日没覆没埋没神出鬼没
物事に深くうちこむ。「没頭没入
(「歿」と通用)死ぬ。「没後没年死没陣没生没戦没病没
なくなる。なくする。「没我没却没収
難読没法子メーファーズ没義道もぎどう没分暁漢わからずや

もつ【没】[漢字項目]

ぼつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「没」の意味・読み・例文・類語

ぼつ【没】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 「歿」とも書く ) 死。死没。「明治三年没」などと死亡した年を示すのに用いる。→没(ぼっ)する
    2. 原稿や投書を採用しないこと。没書。
      1. [初出の実例]「『没』にならなくとも一言はあるだろう」(出典:後裔の街(1946‐47)〈金達寿〉四)
  2. [ 2 ] 〘 接頭語 〙 名詞の上に付けて、無いの意を表わす。無(む)。「没交渉」「没趣味」「没常識」など。
    1. [初出の実例]「尽大地の苦、尽大地の楽、没(ボツ)際涯の劫風滾々(こんこん)たり」(出典:二日物語(1892‐1901)〈幸田露伴〉此一日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「没」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)沒
7画

[字音] ボツ・モツ
[字訓] しずむ・しぬ・ない

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は沒に作り、声符は(ぼつ)。は人が水没すること。沒は〔説文〕十一上に「沈むなり」とあり、人が水中に没することをいう。没の意よりして水死をいい、一生を終わることを没世没歯のようにいう。人の死にはまた歿(ぼつ)を用いる。

[訓義]
1. しずむ、くぐる、おぼれる、水死する。
2. しぬ、おわる、つきる、ほろぶ。
3. ない、なくなる。

[古辞書の訓]
名義抄〕沒 イル・シヅム・カクル・シヌ・ウス・ツクス・ホロブ・ヲサム・ツキヌ 〔字鏡集〕沒 イル・ツブス・タダヨフ・ヲサム・ソコ・カクル・シワザ・ホロス(ブ)・ウス・ツキヌ・シヌ

[語系]
沒・・歿・mutは同声。みなの声義を承ける字である。

[熟語]
没飲・没羽・没影・没階・没滑・没官・没幹・没後・没刻・没骨・没死・没歯・没字・没事・没膝・没日・没首・没趣・没寿・没心・没身・没人・没世・没葬没鏃・没地・没・没頭没匿・没入・没年・没法・没没・没落・没乱・没利・没理・没略・没薬
[下接語]
遺没・没・隠没・雲没・影没・翳没掩没・灰没・陥没・乾没・軍没・没・矢没・死没・濡没・収没・出没・陣没・水没・生没・籍没・戦没・長没・沈没・湛没没・殄没・没・頭没・日没・敗没・漂没・病没・泯没没・覆没・亡没・冒没・埋没・滅没・游没・夭没抑没・凌没・淪没

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android