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夢幻能 むげんのう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

夢幻能
むげんのう

能の分類用語。超現実的存在 (神・霊・精など) の主人公 (シテ) が,名所旧跡を訪れる旅人 (ワキの僧侶など) の前に出現し,土地にまつわる伝説や身の上を語る形式の能。世阿弥によって完成された作劇法で,登場人物がすべて現実の人間である「現在物」に対する。

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デジタル大辞泉の解説

むげん‐のう【夢幻能】

能で、主人公(シテ)が、神・霊・精など超自然的存在のもの。全体がワキの見た夢か幻であるという構成になっているところからいう。→現在能

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百科事典マイペディアの解説

夢幻能【むげんのう】

能の内容による種類。あの世の人間や,神,鬼,精などが化身として現れ,中入り後本体を示して活躍する能の形。懐旧談の形をとることが多くシテ独演の傾向が強い。《高砂》《清経》《井筒》《松風》等。
→関連項目野宮

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世界大百科事典 第2版の解説

むげんのう【夢幻能】

能の分類名。〈現在能〉と対立して能を二大別する。能を代表する形式で,初番目物の大半,二番目物のほとんどすべて,三番目物の多く,四番目物五番目物の一部が夢幻能形式をとる。典型的夢幻能とは次のようなものである。(1)超現実的存在の主人公(シテ。神,男女の霊,鬼畜の霊,物の精など)が,名所を訪れた旅人(ワキ。僧侶や勅使など)に,その地にまつわる物語や身の上を語るという筋立てをもつ。(2)前後二場に分かれ,同一人物が前場(まえば)は現実の人間の姿(化身)で,後場(のちば)はありし日の姿や霊の姿(本体)で登場する。

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大辞林 第三版の解説

むげんのう【夢幻能】

能の分類の一。普通、前後二場に分かれる。亡霊・神・精霊など、超自然的存在の化身(前ジテ)が旅人(ワキ)の前に現れて、人の身の上や、その地の故事を語り、自分こそはその人(神・精霊)であると述べて消え、後場で本体を現すという型の曲。多くワキの見た夢や幻という設定であるところから命名。 → 現在能

出典|三省堂
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世界大百科事典内の夢幻能の言及

【演劇】より

…仮面が人間を使うのではなく,人間が意識的に仮面を使うのだ。その意味で,世阿弥が完成したいわゆる複式夢幻能は,仮面による憑依・変身の手続きと成果を,劇作術の仕組みそのものに置きかえたものだともいえる。 ともあれ,ルネサンス以降の西洋世界では,仮面(マスク)はいかがわしい虚偽の外見であり,真実はその下に隠されているという思想が定着していたから,逆に外に現れたものは徹底的に真実に似ていなければならなかった。…

【鬘物】より

…本格的な鬘物の作品として,《井筒》《野宮(ののみや)》《半蔀(はじとみ)》《夕顔》《松風》《江口》などがあげられる。これらの作品には戯曲的な筋らしい筋はないが,昔の姿で旅人(ワキ)の前に現れた美女の霊が生前のことを語り,往時をしのんで舞を舞うという形をとり,〈夢幻能〉の典型でもある。女姿の草木の精などが主人公となる夢幻能には《杜若(かきつばた)》《芭蕉》《藤》《胡蝶》などがある。…

【劇能】より

…舞台的面白さに主眼を置く風流能に対し,人間の心理・葛藤・対立を中心に描いた能を指す。〈夢幻能〉に対する〈現在能〉を〈劇能〉と称したこともあったが,夢幻能=非劇,現在能=劇という図式が成り立つわけではない。複数の人間が対立しつつ展開する一般的な劇の概念からは外れるものの,ある人物の内面をその人自身が語るという意味で,夢幻能も〈劇〉に含むことができる。…

【現在能】より

…能の分類名。〈夢幻能〉と対立して能を二大別する。夢幻能の典型が霊的存在(男女の霊,草木の精など)を主人公として過去を回想する形をとるのに対し,〈現在能〉は現実世界のできごとを描く。…

【世阿弥】より

…《高砂》《弓八幡》《老松》《養老》《忠度》《敦盛》《頼政》《実盛》《清経》《井筒》《江口》《檜垣》《西行桜》《班女》《桜川》《花筐(はながたみ)》《蘆刈》《春栄(しゆんねい)》《錦木》《(きぬた)》《恋重荷(こいのおもに)》《蟻通(ありどおし)》《(とおる)》《野守(のもり)》《(ぬえ)》などが代表作で,現在も盛んに演じられている。世阿弥作の能の多くは,《伊勢物語》《平家物語》などから舞歌にふさわしい人体を主役に選び,序破急五段の構成を基本とする夢幻能の形態をとったシテ中心の曲である。古歌や古文を巧みに応用し,和歌的修辞や連歌的展開で彩った流麗な謡曲文は,抒情と叙事の適度の配合やイメージの統一とあいまって,見事な詩劇を創造している。…

【能】より

…観阿弥は南北朝末に死ぬが,その子である後の世阿弥(ぜあみ)は,父に劣らぬ才能をもち,能をいっそう高度な舞台芸術に育てた。とくに夢幻能という様式を完全な形に練り上げたことと,能の道の理論的裏付けとしての約20種の著述を残したことは不滅の功績である。近江猿楽には犬王(いぬおう)(後の道阿弥)という幽玄風の名手が出たが,後継者に恵まれず,室町中期から急速に衰えた。…

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