デジタル大辞泉 「海老で鯛を釣る」の意味・読み・例文・類語 海老えびで鯛たいを釣つる 少しの元手または労力で大きな利益を得ることのたとえ。えびたい。[類語]儲もうける・稼ぐ・得る・一稼ぎする・商売する・得する・利する・益する・潤う・潤す・金になる・受益・一儲け・丸儲け・ぼろ儲け・金儲け・営利・荒稼ぎ・一攫千金・濡れ手で粟・焼け太り・甘い汁を吸う・うまい汁を吸う・懐を肥やす・私腹を肥やす・私利を貪る・一山当てる 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「海老で鯛を釣る」の意味・読み・例文・類語 えび【海老】 で 鯛(たい)を釣(つ)る わずかの負担を元手にして多くの利益を得る。また、わずかな贈り物をして多大の返礼を受ける意のたとえ。いぼでたいつるおもい。えびでたい。えびたい。[初出の実例]「鰕(エビ)で鯛(タヒ)を釣(ツ)ったより、もそっとめでたい有難い」(出典:人情本・恩愛二葉草(1834)二) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
ことわざを知る辞典 「海老で鯛を釣る」の解説 海老で鯛を釣る 小さな物をあたえて、かわりにもっと大きな価値のものを得るたとえ。 [使用例] お母様は私の袷あわせをみてまずその柄をほめたあげく「あなたにはもったいのうございますよ 私が頂きますよ」といわれた。私はすこし得意に承知してその次の訪問のときもってってさしあげた。ところが間もなくそのお返しに駒江さんが当時流行の立派な竪絽の羽織をもってきてくだすった。〈略〉有り難いとはいうものの海老で鯛を釣ったかたちでいささか恐縮したことであった[中勘助*きもの|1939] [使用例] 甚だしきに至っては、ビイルを二本くらい持参して、まずそれを飲み、とても足りっこ無いんだから、主人のほうから何か飲み物を釣り出すという所謂いわゆる、海老鯛式の作法さえ時たま行われている[太宰治*酒の追憶|1948] [解説] 釣りでは、餌をあたえて価値のある魚を釣るのが当たり前ですが、これをたとえにすることによって、具体的なイメージが浮かんできます。「海老」は小さく、価値も一尾では高がしれているのに対し、「鯛」は魚の王で、姿も美しく味もよく、高価なものです。小さな犠牲をはらってかなり大きな得をするニュアンスが生じるのも当然でしょう。商売では、「損して得とれ」といいますが、このことわざは、継続的な商取引というより、主に一度きりのことや贈答について使われます。一種の僥ぎょう倖こうで、いつもそうはいかないと考えるほうがよいでしょう。 江戸中期から使われるようになったことわざで、日常のくだけた会話では「海老鯛」と短縮することがあります。 〔英語〕To throw a sprat to catch a herring(小魚を投げてニシンを獲る) 〔朝鮮〕새우로 잉어를 낚는다(海老で鯉を釣る) 出典 ことわざを知る辞典ことわざを知る辞典について 情報