濡れ手で粟(読み)ヌレテデアワ

デジタル大辞泉 「濡れ手で粟」の意味・読み・例文・類語

濡ぬれ手てで粟あわ

濡れた手で粟をつかめば粟粒がたくさんついてくるように、ほねをおらずに多くの利益を得ること。やすやすと金もうけをすること。濡れ手に粟。
[補説]「濡れ手で泡」と書き、いくら努力しても実りがないことの意とするのは誤り。
[類語]儲もうける・稼ぐ・得る・一稼ぎする・商売する・得する・利する・益する・潤う・潤す・金になる・受益・一儲け・丸儲け・ぼろ儲け・金儲け・営利・荒稼ぎ・一攫千金・海老で鯛を釣る・焼け太り・甘い汁を吸う・うまい汁を吸う・懐を肥やす・私腹を肥やす・私利を貪る・一山当てる

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精選版 日本国語大辞典 「濡れ手で粟」の意味・読み・例文・類語

ぬれて【濡手】=で[=に・=の]粟(あわ)

  1. ( 濡れた手で粟をつかめば、粟粒がそのままついてくるところから ) 骨を折らないで利益を得ること。労少なくて得るところの多いこと。濡手で粟のぶったくり。ぬれてあわ。
    1. [初出の実例]「ぬれ手のあわと云は物のたやすいことに云か」(出典:玉塵抄(1563)一七)

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ことわざを知る辞典 「濡れ手で粟」の解説

濡れ手で粟

濡れた手で粟をつかむと、簡単にたくさんついてくる。何の苦労もせずに大きな利益を得ることのたとえ。

[使用例] 彼は細かい十そ露ろ盤ばんの珠をせせっているのをもどかしく思って、堂島の米商売に濡手で粟の大博奕を試みると、その目算はがらりと狂って、小さい身代の有丈を投げ出してもまだ足りないような破滅に陥った[岡本綺堂*浪華の春雨|1916]

[使用例] 利益というものは決してそう楽々と得られるものではありません。商品を高く売れば容易に利益を得られるかもしれませんが、お互いに激しい競争をくりひろげて、サービスといわず、コストといわず、品質といわず、あらゆる点で努力しているわけですから、そんな濡れ手で粟のようなうまい話はないのです。[松下幸之助*企業の社会的責任とは何か?|2005]

[解説] 「濡れ手で粟をつかむ」ともいいいます。粟をつかむのにわざわざ手を濡らすことは、ふつう考えられませんが、実際にそんなことはしなくても、粟粒が二ミリほどの球形や卵形でごく軽いのを実感していると、濡れた手に簡単にたくさん付着するイメージがわいてくるでしょう。簡単に大もうけするたとえですが、そんなうまい話はめったにないので、ふつうは否定的な文脈で使われます。
 粟は、五穀の一つで、古くから山間地などで栽培され、他の穀物が不作の年でも収穫できる重要な穀物でした。しかし、今日では、わずかしか栽培されず、日常あまり見かけなくなったため、「濡れ手で泡」と誤解されることも多くなっています。しかし、「泡」と解したのでは、つかんでも何にもならないものなので、比喩的意味がわからなくなってしまいます。

[類句] 一いっ攫かく千せん金きん

〔異形〕濡れ手で粟のつかみ取り

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