濡れ手で粟(読み)ヌレテデアワ

デジタル大辞泉の解説

濡(ぬ)れ手(て)で粟(あわ)

濡れた手で粟をつかめば粟粒がたくさんついてくるように、ほねをおらずに多くの利益を得ること。やすやすと金もうけをすること。
[補説]「濡れ手で泡」と書き、いくら努力しても実りがないことのとするのは誤り。

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ことわざを知る辞典の解説

濡れ手で粟

濡れた手で粟をつかむと、簡単にたくさんついてくる。何の苦労もせずに大きな利益を得ることのたとえ。

[使用例] 彼は細かいばんの珠をせせっているのをもどかしく思って、堂島の米商売に濡手で粟の大博奕を試みると、その目算はがらりと狂って、小さい身代の有丈を投げ出してもまだ足りないような破滅に陥った[岡本綺堂*浪華の春雨|1916]

[使用例] 利益というものは決してそう楽々と得られるものではありません。商品を高く売れば容易に利益を得られるかもしれませんが、お互いに激しい競争をくりひろげて、サービスといわず、コストといわず、品質といわず、あらゆる点で努力しているわけですから、そんな濡れ手で粟のようなうまい話はないのです。[松下幸之助*企業の社会的責任とは何か?|2005]

[解説] 「濡れ手で粟をつかむ」ともいいいます。粟をつかむのにわざわざ手を濡らすことは、ふつう考えられませんが、実際にそんなことはしなくても、粟粒が二ミリほどの球形や卵形でごく軽いのを実感していると、濡れた手に簡単にたくさん付着するイメージがわいてくるでしょう。簡単に大もうけするたとえですが、そんなうまい話はめったにないので、ふつうは否定的な文脈で使われます。
 粟は、五穀の一つで、古くから山間地などで栽培され、他の穀物が不作の年でも収穫できる重要な穀物でした。しかし、今日では、わずかしか栽培されず、日常あまり見かけなくなったため、「濡れ手で泡」と誤解されることも多くなっています。しかし、「泡」と解したのでは、つかんでも何にもならないものなので、比喩的意味がわからなくなってしまいます。

[類句] いっかくせんきん

〔異形〕濡れ手で粟のつかみ取り

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