稼ぐ(読み)カセグ

デジタル大辞泉 「稼ぐ」の意味・読み・例文・類語

かせ・ぐ【稼ぐ】

[動ガ五(四)]
生計を立てるために、一生懸命に働く。「骨身を惜しまず―・ぐ」
働いてお金を得る。「学費を―・ぐ」
試合などで、得点をあげる。「打点を―・ぐ」「下位力士を相手に星を―・ぐ」
(「点をかせぐ」「点数をかせぐ」の形で)自分の立場が有利になるように行動をとる。評価を高める。「母の手助けをして点を―・ぐ」
(「時をかせぐ」「時間をかせぐ」の形で)都合のよい状態になるまで何かをして時間を経過させる。「支度ができるまで司会者が時間を―・ぐ」
探し求める。
繁華の都へ出て奉公を―・ぎ」〈黄・栄花夢
[可能]かせげる
[類語](1働く労働する精を出す額に汗する/(2得るもうける一稼ぎする商売する得する利する益する潤う潤す金になる受益一儲け丸儲けぼろ儲け金儲け営利荒稼ぎ一攫千金海老で鯛を釣る濡れ手で粟焼け太り甘い汁を吸ううまい汁を吸う懐を肥やす私腹を肥やす私利を貪る・一山当てる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「稼ぐ」の意味・読み・例文・類語

かせ・ぐ【稼】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ガ五(四) 〙
    1. 一所懸命に働く。仕事に励む。
      1. [初出の実例]「此おうぢも、わかい時かせいだによって、今らくをする」(出典:虎明本狂言・財宝(室町末‐近世初))
    2. 努力する。励む。
      1. [初出の実例]「多分の過も息めんとかせぐべきなり」(出典:栂尾明恵上人遺訓(1238))
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ガ五(四) 〙
    1. 仕事を一所懸命に行なう。また、働いて収入を得る。
      1. [初出の実例]「シゴト フシンナドヲ caxegu(カセグ)」(出典日葡辞書(1603‐04))
    2. 力を尽くす。心をくだく。
      1. [初出の実例]「水鳥のやうに、下をばかせぎて」(出典:申楽談儀(1430)音曲の心根)
    3. 得ようとして心をくだく。探し求める。また、探し求めて得る。
      1. [初出の実例]「せめて武家方の若党にもなりて奉公を勤めばやと思ひ、方々の御大名方をかせぐ所に」(出典:仮名草子・浮世物語(1665頃)一)
    4. ( 多く「色を稼ぐ」の形で ) 色事をする相手を熱心に求める。また、熱心に求めて、色事の相手を手に入れる。→いろ(色)を稼ぐ
      1. [初出の実例]「がくもんもやめ、そろそろいろごとをかせきけり」(出典:黄表紙・鼻峯高慢男(1777))
    5. 利得を得る。
      1. (イ) 金銭、物、点数などをうまく手に入れる。
        1. [初出の実例]「いきなり、バントして一点稼ぐ」(出典:受胎(1947)〈井上友一郎〉)
      2. (ロ) 有利な状態になるまでひきのばす。→とき(時)を稼ぐ
        1. [初出の実例]「書かなくても分っていることを繰返して、時間をかせごうというほど、未練がましくはないつもりだ」(出典:他人の顔(1964)〈安部公房〉白いノート)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android