(読み)エン

デジタル大辞泉 「淵」の意味・読み・例文・類語

えん【淵】[漢字項目]

人名用漢字] [音]エン(呉)(漢) [訓]ふち
水を深くたたえている所。「海淵深淵
物事の出てくる根源。「淵源
物の多く集まる所。「淵藪えんそう
[補説]「渊」「渕」は俗字
[名のり]すえ・すけ・なみ・のぶ・ひろ・ふか・ふかし
難読どぶ釣り

ふち【×淵/×潭】

底が深く水がよどんでいる所。⇔
容易に抜け出られない苦しい境遇。苦境。「絶望の―に突き落とされる」
[類語]深淵深み深間淀み

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精選版 日本国語大辞典 「淵」の意味・読み・例文・類語

ふち【淵・潭】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水がよどんで深くなった所。川の流れが滞って、深く水をたたえたところ。
    1. [初出の実例]「布知(フチ)も瀬も 清く清けし 博多川 千歳を待ちて 澄める川かも」(出典:続日本紀‐宝亀元年(770)三月歌謡)
  3. たやすく抜け出ることのできない深み。なかなか浮かび上がることのできない苦しい境遇。
    1. [初出の実例]「借金の淵(フチ)に日を暮るも」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉四)

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普及版 字通 「淵」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 11画

[字音] エン(ヱン)
[字訓] ふち

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(えん)。〔説文十一上に「回(めぐ)る水なり」とあり、は水の回流する形で、淵の初文

[訓義]
1. ふち、いけ。
2. ふかい水、ふかい。
3. しずか。

[古辞書の訓]
〔新字鏡〕淵 不知(ふち)、、佐加万(さかまき) 〔名義抄〕淵 フチ・フカシ・ハラ 〔立〕淵 フチ・シヅカ

[熟語]
淵懿・淵意・淵映・淵遠・淵淵・淵雅・淵淵涵・淵鑑・淵玄・淵源・淵原淵乎・淵古淵曠・淵旨淵識・淵深・淵酔・淵・淵静・淵清・淵潜淵然・淵・淵塞・淵沢・淵達・淵淵湛・淵致・淵智・淵沈・淵通・淵図・淵・淵博・淵妙・淵明淵黙・淵淵慮淵淪
[下接語]
九淵・虞淵・渓淵・故淵・広淵・江淵・洪淵・塞淵・渉淵・神淵・深淵・清淵・静淵・旋淵・滄淵・淵・重淵・澄淵・沈淵・天淵・凌淵・竜淵・臨淵・霊淵

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日本歴史地名大系 「淵」の解説


くしふち

「日本書紀」大化二年(六四六)正月の改新詔に畿内国四至の西端の地として「赤石の櫛淵」があげられている。遺称地は不明。「大日本地名辞書」は現垂水区塩屋しおや地区を流れる塩屋谷しおやたに川がさかい川とよばれ(「播磨鑑」など)、古来摂津・播磨の国境とされてきたことから、この川の古名に推定している。

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【川】より

…蛇行は曲流ともいい,湾曲して流れる河川の平面形態が蛇が移動しているようすに似ていることから名付けられている。河川の湾曲部の外側の河岸は流水が衝突するため,削られて深くなり淵が形成される。流水は淵で向きを変え,反対側の河岸へと向かい,そこでぶつかって同様に淵を形成する。…

※「淵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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