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劇作家、演出家、小説家。新潟県生まれ。早稲田(わせだ)大学演劇科在学中に処女戯曲『署名人』(1958)を発表。一時、岩波映画で羽仁進(はにすすむ)とともにシナリオを書いたが、『狂人なおもて往生をとぐ』(1969)で劇界での地歩を固めた。以後、演出家の蜷川幸雄(にながわゆきお)と組んで清新な作品を次々と送り出し、新世代の旗手となった。1976年(昭和51)以後は夫人の女優松本典子(のりこ)(1935―2014)とともに木冬社(もくとうしゃ)を主宰し、演出にも才能をみせた。代表作に『楽屋』(1977)、『火のようにさみしい姉がいて』(1978)、『戯曲冒険小説』(1979)、『わが魂は輝く水なり』(1980)など。小説では『月潟村柳書』(1986)、『風鳥』(1993)がある。1984年読売文学賞受賞。
[大島 勉]
『『清水邦夫の世界』(1982・白水社)』▽『『清水邦夫全仕事 1958~1980』上・下(1992・河出書房新社)』▽『『清水邦夫全仕事 1981~1991』上・下(1992・河出書房新社)』