湯ノ花温泉(読み)ゆのはなおんせん

日本歴史地名大系 「湯ノ花温泉」の解説

湯ノ花温泉
ゆのはなおんせん

[現在地名]舘岩村湯ノ花

また川右岸の山麓にあり、湯量が豊富である。泉質は含土類石膏弱食塩泉。泉温摂氏四四―六〇度。「会津風土記」に「湯俟温湯出」とある。元禄七年(一六九四)の湯岐村明細帳(星家文書)によると湯は湯入ゆのいり村分であったが、湯岐ゆのまた村の者が見立て名主十左衛門が二つの湯舟の湯守を勤めた。近郷の者が湯治に訪れ、湯銭はとくに定めず相対であったという。「新編会津風土記」によれば、南北に分れた集落の南側にあり、石槽が三ヵ所設けられていた。山中僻遠の地にもかかわらず、遠近からの浴客が多く、傍らに湯屋を構えていた。効能は同書に「腫物・中風・脚気・瘡毒・切疵・打身・上気等を治す」とあり、貞享二年(一六八五)の「長江庄郷村地方風俗帳」では眼病・頭痛に効くという。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「湯ノ花温泉」の意味・わかりやすい解説

湯ノ花温泉
ゆのはなおんせん

福島県南西部、南会津郡南会津町湯ノ花にある温泉。泉質は塩化物泉。室町期の開湯と伝えられる。湯岐川(ゆのまたがわ)沿いの標高730メートルの地にあり、唐沢峠(からさわとうげ)を越えて西方にある木賊温泉(とくさおんせん)とともに田代山(たしろやま)への登山基地となっている。会津鉄道会津高原尾瀬口駅からバスの便がある。

[原田 榮]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「湯ノ花温泉」の意味・わかりやすい解説

湯ノ花温泉
ゆノはなおんせん

京都府南西部,亀岡市西郊の閑静な山峡にある温泉。京都の奥座敷ともいわれ,静かなたたずまいを求めて訪れる静養客が多い。泉質は放射能泉。泉温は 17℃。戦国時代には傷を負った将兵がここで湯治をしたといわれ,切り傷や打ち身神経痛などにきく。亀岡の古社寺めぐりや保津峡下りの基地によく,マツタケ,たけのこ,ぼたん鍋などの料理を名物にしている宿が多い。

湯ノ花温泉
ゆノはなおんせん

福島県南西部,南会津町にある温泉。伊南川の支流,湯岐川沿いに湧く山の湯。泉質は単純泉。泉温は 53℃。神経痛,皮膚病,火傷などにきくといわれる。湯岐川沿いに4ヵ所の共同浴場があり,宿の内湯よりも共同浴場を利用する宿泊客が多い。

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デジタル大辞泉プラス 「湯ノ花温泉」の解説

湯ノ花温泉

福島県南会津郡南会津町にある温泉。県南西部、湯岐川沿いの標高約730mに位置する。田代山登山の基地。

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