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準備預金制度 じゅんびよきんせいどreserve deposit requirement system

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

準備預金制度
じゅんびよきんせいど
reserve deposit requirement system

銀行などの金融機関に対して,受け入れている預金などの一定割合(準備率)以上の金額を支払準備として日本銀行に強制的に預け入れさせる制度。支払準備制度ともいう。1957年に施行された「準備預金制度に関する法律」によって導入された。預け入れるべき最低金額を法定準備預金額,または所要準備額という。日本銀行政策委員会は準備率の法定最高限度である 20%の範囲内でこれを操作できることになっており,1959年に初めて発動して以来,経済情勢に応じて準備率を操作してきた。しかし,1991年10月以降は準備率の変更は行なわれていない。

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知恵蔵の解説

準備預金制度

銀行等に対して受け入れている預金等の一定割合(準備率)以上の金額を、強制的に日本銀行に預け入れさせる制度のこと。本来は、預金者保護の観点から、銀行等に対して預金の払い出しなどに備えた積み立てを求める趣旨だったといわれているが、今日では、日本銀行による通貨調節手段と考えられている。すなわち、銀行等は準備率の引き上げによって預金等のうち運用可能な資金量が制限されることとなる。そこで日本銀行は、準備率を上下させることを通じて銀行等の信用創造機能に影響を与え、市場での資金需給を調整することが期待できる。日本では「準備預金制度に関する法律」に基づき、1957年に導入された。準備率は金融機関の種類、債務の種別、金額等に応じて、日本銀行が定めている。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2007年)

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デジタル大辞泉の解説

じゅんびよきん‐せいど【準備預金制度】

金融政策手段の一。中央銀行市中金融機関に対し、預金などの一定割合(預金準備率)を準備預金として預けることを義務づけている。これは昭和32年(1957)制定の「準備預金制度に関する法律」によって定められており、中央銀行はこの預金準備率を操作することによって市中の資金量の調整を図る。支払準備制度。

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百科事典マイペディアの解説

準備預金制度【じゅんびよきんせいど】

銀行預金などの一定割合を中央銀行(日本では日本銀行)に強制的に預けさせ,その割合(預金準備率)を上下させて通貨量を調節する制度。日本では〈準備預金制度に関する法律〉(1957年)に基づいて1959年以降実施されている。
→関連項目支払準備金

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世界大百科事典 第2版の解説

じゅんびよきんせいど【準備預金制度】

市中金融機関の預金等の債務の一定割合相当額を通常無利子で中央銀行に強制的に預け入れさせ,その預入れ率すなわち支払準備率を随時変更することにより,金融機関の現金準備を直接的に増減させ,その信用創造機能をコントロールしようとする通貨調節手段。過去においては,この制度の趣旨は預金者保護にあるとみられていたが,最近では純粋な通貨調節手段の一つとの見方が一般的となっている。 本来,金融機関は預金の払出請求に備え,みずから適当と判断する額の支払準備(現金通貨,中央銀行預け金等)を保有するものであるが,支払準備率の上げ下げは強制的かつ一律的であるだけに,その金融機関の流動性に与える影響は貸出政策公開市場操作に比べて強力でありかつ持続的であるといえる。

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大辞林 第三版の解説

じゅんびよきんせいど【準備預金制度】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

準備預金制度
じゅんびよきんせいど

1957年(昭和32)制定の「準備預金制度に関する法律」(昭和32年法律第135号)に基づいて、市中銀行等の預金等の一定割合(準備率)を日本銀行に強制的に預け入れさせる制度。その準備率を上下に操作し、市中銀行等の貸出等による資金運用に影響を与えることを通じて、通貨量を調整することで金融緩和・引締めを行う、金融政策の一手段とされる。現行準備預金制度における対象の市中銀行等は、銀行(銀行法によるものをいい、在日外国銀行を含む)、信用金庫(預金残高1600億円超の信用金庫のみ)、農林中央金庫となっている。
 1959年9月に初めて各金融機関に対して準備率が設定され、1972年の同法改正によって対象となる金融機関・債務の範囲が拡大された。
 ところが、1990年代のバブル経済の崩壊と平成不況によって、市中銀行等の貸出が減少するなか、金融システム不安も高まり、インターバンク市場(銀行間取引市場)から資金を調達することが困難になる市中銀行等が増加したことから、日本銀行は2001年(平成13)から量的金融緩和を実施した。この政策では、市中銀行等が日本銀行に預ける日銀当座預金等の量を政策目標にすることから、つねに法定準備預金額(準備率による最低金額)を超えて日本銀行に預ける当座預金等(法定準備預金額を超えた預金を「超過準備」という)が増加することになる。そのため、事実上、準備率の操作が無効になる。加えて、短期金融市場の発展に伴い、現在、日本を含む先進主要国では準備預金制度を利用した金融政策は行われておらず、日本の準備率についても、1991年(平成3)10月を最後に変更されていない。[石田定夫・前田拓生]

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世界大百科事典内の準備預金制度の言及

【金融政策】より

…日本では日本銀行が金融政策の直接の責任者であるが,金融市場に大きな影響を与える国債の種類,発行条件,借換債の種類,条件等の決定は大蔵大臣によって,また郵便貯金の金利は郵政大臣が郵政審議会に諮問し政令で定められる。 日本銀行の行う金融政策については,1949年6月の日本銀行法の一部改正によって日本銀行政策委員会が設けられ,公定歩合の決定,公開市場操作実施の方針,市中金利の最高限度の決定,準備預金制度の準備率の決定・変更等はすべてこの政策委員会によって決定される。政策委員会は日本銀行総裁のほか金融,商工業,農業に関し経験と識見をもつ者,大蔵省,経済企画庁の代表者の7人によって構成される。…

【支払準備率】より

…銀行が預金残高に対して,日々の支払請求に応じるためにもっている支払準備(現金通貨,中央銀行預け金等)の比率。もっとも,最近では,準備預金制度のもとで市中金融機関は預金等の債務の一定割合相当額を通常無利子で中央銀行に預入れする義務を負っているが,その預入れ率のことを指す場合が多い。中央銀行は支払準備率を政策的に変動させることにより,金融機関の支払準備を直接的に増減させ,これを通じてその信用創造機能をコントロールすることができる。…

※「準備預金制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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