




なり」とし、字の上部を雀の形、中を鬯酒(ちようしゆ)の形、それに
(ゆう)(手)を加えた会意の字とし、
の音は雀(しやく)、器形を雀に象るものであるという。〔段注〕にも、首尾啄翼など具(つぶ)さに備わるというが、卜文・金文の字形に明らかなように、爵の象形である。ただ〔孟子、離婁上〕に「
(雀)を
(か)る」のように、
を雀に通用する例もあるが、それは字の音を借りたものにすぎない。古くは爵酒を賜うことを以て恩賞としたが、のち五等の爵制となった。爵は殷器にすぐれたものが多く、古くは酒礼・酒儀が盛んであったのであろう。爵は一升、
(こ)は二升、
(し)は三升、角は四升、散は五升を容れ、みな酒器である。
ツカサ・シナカブル・サカヅキ・スズミ
声として
・
・
の三字を収める。
・
は
・
と同じく、
声はその形況を示すものであろう。
・雀tzi
kは同声。また
tzi
k、
dzi
kは
tji
kと声義の近い字である。
▶・爵貴▶・爵穴▶・爵減▶・爵号▶・爵釵▶・爵次▶・爵耳▶・爵室▶・爵主▶・爵賞▶・爵秩▶・爵
▶・爵土▶・爵等▶・爵頭▶・爵服▶・爵弁▶・爵封▶・爵命▶・爵躍▶・爵邑▶・爵踊▶・爵羅▶・爵里▶・爵列▶・爵禄▶
爵・伯爵・封爵・列爵・禄爵出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…ギリシア語ではリュトンrhytonといったが,それは〈獣角〉の義であった。中国では各種の杯(飲酒器)を獣角でつくったことは,杯の名称に觚(こ),觶(し),角(爵)など,角に関係した文字があるので知られる。しかし殷(いん)の青銅器の杯はすでに相当進化していて,獣角のなごりは求めにくい。…
…土器の出土品には甕,壺,坏(つき)(杯)など酒器として使用されたと推定されるさまざまなものがあるが,これらは酒にかぎらず一般の飲食器としても当然使用されていたであろう。古代中国の青銅器などに見られる爵(しやく),尊(そん)といった酒器が,なによりもまず祭祀のために用いられたことは,酒が神聖な飲料であったことからみて当然であり,今日の日本でも正月や結婚式の慶事に神酒を盛った銚子や坏など,神前の酒器で寿(ことほ)ぐのもその古制によることを示唆している。 現在では徳利を銚子と呼ぶことも多いが,徳利と銚子とはもともと別物であった。…
…青銅の使用が盛んになるに従ってその類の器は青銅製に変わってゆく。前2千年紀の中ごろ,青銅の使用が始まると同時に青銅製のものが多数作られ始めるのは大型の酒つぼ(有肩尊(ゆうけんそん)),酒を温めて注ぐための注ぎ口と三足をもった容器(爵(しやく)),酒の燗をするためのものと思われる大型の三足器(斝(か)),肉を煮るための三足のなべ(鼎(てい))である。 この時期の青銅容器は薄手に作られ,文様は凸線ないし版木のように上面の平らな幅広い帯で表され,抽象的な表現の目鼻をもった神像(饕餮(とうてつ)文)を主にし,種類の変化はあまり多くなく,簡素な感じのものである。…
※「爵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...