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(桜井勉 日本産業研究所代表 / 2007年)
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…とくに北イタリアの自由都市では,独占権を付与することを条件に,外国から優秀な技術者を招き,織物業等の産業の振興を図った。その中でもとくに有名なのが1474年の〈ベネチア特許法〉であり,これが世界最古の特許法といわれている。この特許法は,その要件や効果の点において現代の特許法に近いものをもっていた。…
…そして19世紀末以降,有機合成化学が発達すると,染料をはじめとする天然の化合物が人工的に作り出されるようになり,この合成された化合物と天然の化合物を区別することが不可能になり出した。それで特にドイツにおいて,特許法の保護対象を合成された化合物(化合物の製造方法の発明)に限定するために,天然に存するか,存する可能性がある新しい現象や物質・生物などの確認を〈発見〉として発明から除外するようになった。なおこの傾向は,第2次大戦以降,高分子や半導体など天然に存しない化合物が合成されたり,遺伝子工学により天然に存するはずのない生物が作り出されたりするようになったため,物質や生物についても発明がありうることとなり,再びこの区別はあいまいになってきている。…
※「特許法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」