直書(読み)ジキショ

デジタル大辞泉 「直書」の意味・読み・例文・類語

じき‐しょ〔ヂキ‐〕【直書】

[名](スル)
本人が直接書くこと。また、その文書自筆直筆。「大臣直書した依頼状
直状じきじょう
[類語]自筆直筆自書自記肉筆真筆

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精選版 日本国語大辞典 「直書」の意味・読み・例文・類語

じき‐しょヂキ‥【直書】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) その人が直接書くこと。また、そのもの。直筆(じきひつ)。自筆。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「庄屋宛に御隠居の直書(ヂキショ)になる依頼状を送ってよこした」(出典夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)
  3. 本人が直接書いて他にあてた書状
    1. [初出の実例]「委曲以直書申候、猶自私相心得能々可申旨候」(出典:上杉家文書‐(大永五年)(1525)閏一一月一八日・麻植貞長副状)
  4. ( ━する ) そのままを書き写すこと。
    1. [初出の実例]「今の俗語を直書して所謂てにをはの法をも挙て之を廃せんと欲す」(出典:明六雑誌‐一号(1874)洋字を以て国語を書するの論〈西周〉)

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改訂新版 世界大百科事典 「直書」の意味・わかりやすい解説

直書 (じきしょ)

中・近世の古文書様式の一つ。発給者自身が直接差し出す文書の総称直状(じきじよう),直札(じきさつ)ともいう。奉行などの家臣が主人の仰せを奉じて出す奉書あるいは副状(そえじよう)などの間接的な文書と対比される。古文書学上,書状と称してはやや不適切な文書をこの名称で呼ぶ。また判物(はんもつ),書下(かきくだし)との区別も必ずしも明確ではない。佐藤進一によれば,直書は文章のおわりが〈……也,仍状如件〉とか〈……之状如件〉と終わり,日付を月日だけでなく年月日すべてで示すのが書状との違いであるとする。広義に解すれば,差出者の花押,もしくは印の据えられた,奉者の存在しない中世近世文書で上記の条件を備えたものといえよう。書状が純粋に私用の文書で十分な効力をもたぬのに対し,直書は差出者の命令を下へ向かって伝達し,権利の付与,その執行などの機能をもつ文書といえる。
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普及版 字通 「直書」の読み・字形・画数・意味

【直書】ちよくしよ

そのままに記す。晋・杜預〔春秋左氏伝の序〕盡して紆曲)せず、其の事を直書す。を見(あら)はす。~齊侯獻捷の、是れなり。

字通「直」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「直書」の意味・わかりやすい解説

直書
じきしょ

武家文書の一形式。将軍や大名など身分の高い人が家臣などに文書を与える場合,主命を受けて奉行人などの名儀で出す奉書に対し,主人名儀で発行する文書を直書,直状などという。 (→書下〈かきくだし〉 )

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