(読み)キン

デジタル大辞泉 「禁」の意味・読み・例文・類語

きん【禁】[漢字項目]

[音]キン(漢) [訓]いさめる
学習漢字]5年
ある行為に枠をはめて差し止める。「禁煙禁止禁酒禁制禁断禁欲厳禁
かってな行為を差し止めるための一定の枠。おきて。「解禁国禁大禁
一定の場所に閉じこめる。「禁錮監禁拘禁軟禁
特別な人以外は出入りを許されない場所。宮中。「禁苑禁門禁裏
忌み避ける。「禁忌禁句

きん【禁】

禁じられていること。また、その事柄。「を解く」「を犯す」
[類語]禁止禁制禁断禁令禁遏きんあつ禁圧厳禁無用法度はっと差し止め駄目だめ禁忌(―する)禁ずる取り締まる制する

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精選版 日本国語大辞典 「禁」の意味・読み・例文・類語

きん【禁】

  1. 〘 名詞 〙 禁じられていること。禁じていること。おきて。法度(はっと)
    1. [初出の実例]「貞永に五十一箇条の式目を定めて裁許に滞らず、されば上に敢へて法を破らず、下に又禁(キン)を犯さず」(出典:太平記(14C後)三五)
    2. [その他の文献]〔礼記‐曲礼上〕

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普及版 字通 「禁」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音] キン
[字訓] いむ・とどめる

[説文解字]

[字形] 会意
林+示。示は神を祭るときの祭卓の形。林は林叢。そこを神を祀る聖所とする。〔説文〕一上に「吉凶の忌なり」とタブーの意に解し、字を林声とする。もと神の聖域をいい、のち宮城の意となる。禁に聖俗を分かつ意があり、聖を犯すことを禁忌とし、それより吉凶の意となる。また禁獄の意に用いる。〔爾雅、釈詁〕に「林は君なり」とあり、林に神の意があったのであろう。

[訓義]
1. 神を祀るところ、その聖域。
2. 聖域を犯すことを禁ずる、いむ、さける。
3. とめる、とどめる、さしとめる。
4. 禁止規定、おきて、いましめる。
5. 宮城、御所を神域になぞらえていう。
6. 鳥獣をかこい養うところ、おり。
7. 禁獄。
8. 呪詛的方法で災厄をとりのぞく、呪禁、おさえる、つつしむ。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕禁 イマシム・トガ・マホル・ミヤコ・フセグ・カタシ・ヤムイム・マシナフ・スマフ・トドム・サマタグ・イサム・イサフ・イナフ

[声系]
〔説文〕に禁声として噤を収め、襟は未収。襟はもとに作る。〔釈名、釈衣服〕に襟を「襟は~風禁禦する以なり」とするが、襟は後起の字。また衿に作る。今は蓋栓(がいせん)の形で、覆う意。禁・今の声義に通ずるところがある。

[語系]
禁・今kimは同声。今は蓋して覆う意。禁にはまた古くklimの音があったようである。

[熟語]
禁悪禁遏・禁圧・禁・禁営・禁衛禁掖・禁垣・禁園・禁煙・禁苑・禁奥禁訶禁加禁架・禁火禁戒禁劾・禁革・禁・禁学禁姦・禁忌・禁詰・禁宮・禁禦禁圉・禁・禁近・禁軍禁閨禁闕・禁軒・禁憲・禁厳・禁錮禁固・禁庫・禁護・禁溝・禁獄禁昏・禁・禁坐・禁財・禁察・禁止・禁子・禁侍・禁邪・禁酒・禁呪・禁囚・禁祝・禁戎・禁書・禁省・禁城・禁制・禁籍・禁切・禁絶・禁阻・禁倉・禁臧・禁蔵・禁足・禁塞・禁卒・禁内・禁闥・禁断・禁地・禁中・禁黜・禁懲・禁飭・禁庭・禁典・禁殿・禁塗・禁帑・禁備・禁物・禁兵・禁閉・禁方・禁坊・禁暴・禁密・禁罔・禁網・禁門・禁夜・禁鑰・禁欲・禁慾・禁裏・禁旅・禁令・禁例・禁臠・禁楼・禁漏
[下接語]
威禁・苛禁・戒禁・解禁・監禁・禁・宮禁・去禁・玉禁・刑禁・憲禁・厳禁・錮禁・拘禁・国禁・紫禁・酒禁・呪禁・囚禁・重禁・粛禁・遵禁・省禁・食禁・設禁・俗禁・大禁・天禁・典禁・党禁・軟禁・発禁・犯禁・符禁・邦禁・法禁・防禁・明禁・門禁・問禁・夜禁・幽禁・猟禁・礼禁

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