デジタル大辞泉 「突出す」の意味・読み・例文・類語 つき‐だ・す【突(き)出す】 [動サ五(四)]1 突いて外へ押し出す。「土俵の外へ―・す」2 勢いよく前の方へ出す。「こぶしを―・す」3 悪事をはたらいた者を警察などに連れて行く。「すりを派出所に―・す」4 建物やその一部を外の方へ張り出して設ける。「庭に―・している窓」5 男女の関係を断つ。縁を切る。「何も今さら―・すという訳ではないけれど」〈一葉・にごりえ〉6 遊女に初めて客を取らせる。「そも女郎の十四五より―・して新造ととなへ」〈洒・男倡新宗玄々経〉[類語]突出・突起・突き出る・飛び出る・飛び出す・出っ張る 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「突出す」の意味・読み・例文・類語 つき‐だ・す【突出・築出・吐出】 〘 他動詞 サ行五(四) 〙[ 一 ] ( 突出 )① 外へ突いて出す。また、追い出す。[初出の実例]「杉戸開いてつき出せば」(出典:浄瑠璃・平家女護島(1719)三)② 物を勢いよく出す。前の方へ出るようにする。出す。[初出の実例]「飯を食て椀を突出(ツキダ)すと」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)「下唇を突出(ツキダ)してムッと口を結んで」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)③ 犯罪者などを、番所・警察などに連行する。[初出の実例]「さあ、これから二人とも、突出(ツキダ)してくんなせへ」(出典:歌舞伎・青砥稿花紅彩画(白浪五人男)(1862)三幕)④ ( 自動詞的に用いて ) 建物や、その一部を外の方へ向かって張り出して設ける。また、そのような地形にもいう。[初出の実例]「海に突出(ツキダ)してある離座敷」(出典:帰去来(1901)〈国木田独歩〉七)⑤ 突き出し③として初めて客を取らせる、または披露する。[初出の実例]「そも女郎の十四五よりつき出して新造ととなへ」(出典:洒落本・男倡新宗玄々経(1751‐64頃))⑥ ( 江戸深川の遊里語から ) 男女間の関係を断つ。あいそづかしをして手を切る。また、仲間はずれにしたりする場合にもいう。[初出の実例]「色はくろくても同じ仲間の黒本へやれば不足はなひと、娘とむこうづらへまわり、きさまをつきだす相談さ」(出典:黄表紙・御存商売物(1782)中)⑦ ( 自動詞的に用いて ) 立ちあらわれる。勢いよく出る。くり出す。[初出の実例]「くだんの男四五人組して付出しお若衆を取まはし」(出典:浮世草子・浮世栄花一代男(1693)四)[ 二 ] ( 築出 ) 地盛をして地面を広くする。〔日葡辞書(1603‐04)〕[ 三 ] ( 吐出 ) 細い所から急に強く外へ出す。吐き出す。[初出の実例]「ある時女人の病患重くして物狂なるを、此陀羅尼を誦しけるに、物をつき出したるをみれば」(出典:梵舜本沙石集(1283)七) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例