立花(福岡県の地名)(読み)たちばな

日本大百科全書(ニッポニカ) 「立花(福岡県の地名)」の意味・わかりやすい解説

立花(福岡県の地名)
たちばな

福岡県南端、八女郡(やめぐん)にあった旧町名立花町(まち))。現在は八女市の南西部を占める地域。旧立花町は、1955年(昭和30)光友(みつとも)、北山(きたやま)、白木(しらき)、辺春(へばる)の4村が合併して町制施行。2010年(平成22)、黒木(くろぎ)町、矢部(やべ)村、星野(ほしの)村とともに八女市へ編入。古生層からなる県境の筑肥(ちくひ)山地の北斜面が広がり、旧町域の北端に矢部川中流左岸の狭い沖積低地がある。国道3号が小栗(おぐり)峠を越えて熊本県に通じる。主産業は農業で、米麦のほか、ミカン、キウイフルーツ、タケノコ、茶、ウメなどを産し、とくにミカンは元禄(げんろく)年間(1688~1704)に起源をもつ県内屈指の生産地であり、町名も橘(たちばな)にちなんでつけられた。兼松(かねまつ)集落には缶詰工場が立地している。辺春川上流はゲンジボタルの里として知られ、飛形(とびかた)山(450メートル)からの眺めはすばらしい。

[石黒正紀]

『『立花町史』(1996・立花町)』

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