精選版 日本国語大辞典「級」の解説
きゅう キフ【級】
[1] 〘名〙
①
(イ) 段階。進歩の程度によって設けた位。等級。
(ロ) 学校で同一の学年、学級、クラス、組。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉一「算術の勝負や清書の点取ではややもすると敗北するが、其でも級の第一を占めて居た」
② 階段の一つ一つの段。
※米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉一「階子あり、級を拾ふて上るべし」
[2] 〘接尾〙
① (中国で、秦の時代、敵の首を一つ斬れば爵一級を与えられるというところから) 戦争で斬った首の数をかぞえるのに用いる。
※幸若・本能寺(室町末‐近世初)「残る凶徒の頸をば千七百余きう」 〔史記‐平準書〕
② 学校で、学級を数えるのに用いる。
※舞姫(1890)〈森鴎外〉「太田豊太郎といふ名はいつも一級の首にしるされたりしに」
③ 階段の一つ一つの段を数えるのに用いる。
※台記‐保延二年(1136)一二月一三日「主人先昇レ階、一級して脱レ履、傍二東欄一、四五級昇後」
④ 珠算、柔・剣道など免許状を発行するようなものについて、程度、段階などを表わすのに用いる。また、もと酒の等級についてもいった。「珠算三級」「一級建築士」
⑤ 名詞に付けて、その程度であることを表わすのに用いる。
※星座(1922)〈有島武郎〉「おたけさん級の娘なら」
※話の屑籠〈菊池寛〉昭和八年(1933)二月「堂々として、大臣級の人だと思はれた」
⑥ 写真植字の字体の大きさをいう単位。四分の一ミリメートルを一級とする。〔実用印刷技術(1957)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報