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芝居絵 しばいえ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

芝居絵
しばいえ

浮世絵のなかで歌舞伎題材としたもの。役者の姿態を描いた役者絵が主流で,明和期 (1764~72) には,似顔絵とともに多色摺の錦絵が現れて一大飛躍をとげた。このほか遠近画法による浮絵劇場内外図,舞台画などがある。画家には,初期の菱川師宣 (ひしかわもろのぶ) ,18世紀の初頭から劇界と深い結びつきをもった鳥居清信清倍清長歌川豊国,国貞 (のち3世豊国) ,国芳,豊原国周 (くにちか) ,特異な画風の東洲斎写楽などがいる。

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世界大百科事典 第2版の解説

しばいえ【芝居絵】

歌舞伎に直接取材した絵画の総称。芝居町の風俗や劇場内外の景観を大観的にとらえるものから,人気役者の舞台上の舞踊や演技の態あるいは日常生活の場における姿を写すものなど,包含される題材は広範囲に及ぶ。別に〈歌舞伎絵〉の語も用いられ,一部は〈役者絵〉とも重なる。芝居絵の発生は,慶長年間(1596‐1615)の京都におけるお国歌舞伎の流行と同時に始まる。すなわち桃山時代から江戸時代初頭にかけての肉筆風俗画では,はじめ〈洛中洛外図〉や〈京名所図〉などの屛風画の一部に,北野神社社頭や四条河原の歌舞伎小屋が描き込まれ,ついで歌舞伎小屋とその周辺にくりひろげられる風俗事象を活写した〈歌舞伎屛風〉が成立する。

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大辞林 第三版の解説

しばいえ【芝居絵】

歌舞伎を題材とした浮世絵。役者絵・絵看板など。歌舞伎絵。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

芝居絵
しばいえ

歌舞伎(かぶき)関係の絵画の総称で、歌舞伎絵あるいは劇画(げきが)ともいう。歌舞伎の発生した慶長(けいちょう)年間(1596~1615)から早くもその舞台や客席のようすを伝える風俗画が描かれているが、元禄(げんろく)年間(1688~1704)以降、明治前半ころまでの浮世絵において、もっとも盛んに制作された。楽屋や茶屋までを含めた劇場図から、舞台上の役者の演技の態、さらには役者の日常生活のようすなどを、多くの浮世絵師が肉筆画と版画の両分野で競作している。歌舞伎界の慣習に慣れた鳥居(とりい)派が絵看板や芝居番付(ばんづけ)など劇場関係の仕事を終始独占したが、安永(あんえい)年間(1772~81)以降は勝川派や歌川派が版画の分野で主導権を握り、1794年(寛政6)から翌年にかけての一時期、東洲斎写楽(とうしゅうさいしゃらく)が役者似顔絵(にがおえ)に新風を吹き込んだ。幕末期には江戸の浮世絵風が地方にも及び、京・大坂の上方(かみがた)役者絵をはじめ、東北のねぶたや凧絵(たこえ)、土佐の絵金(えきん)の台提灯絵(だいちょうちんえ)など、特色のある芝居絵を各地に誕生させている。[小林 忠]

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世界大百科事典内の芝居絵の言及

【鳥居派】より

…浮世絵の一流派。元禄年間(1688‐1704)から現代に至るまで約300年間,歌舞伎界と密接な関係を保ち,芝居絵,役者絵を専業として家系をつないだ。劇場の絵看板(看板絵)や番付絵,役者姿絵の版画などは,いずれも演目と配役が決まりしだい上演に先立って作画にかかる必要があり,芝居にくわしく歌舞伎界のしきたりに通じていなくては難しい領域であった。…

※「芝居絵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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