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浮絵 うきえ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

浮絵
うきえ

西洋画から取入れた遠近透視図法を用い,実景が立体的に浮き出して見えるように描かれた絵。江戸時代浮世絵師で版元の奥村政信の創始といわれ,覗機関 (のぞきからくり) や浮世絵版画に応用された。

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デジタル大辞泉の解説

うき‐え〔‐ヱ〕【浮(き)絵】

江戸時代、西洋画の透視図法を取り入れた遠近感のある絵。実景が浮き出るように見えるのでいう。初め、のぞきからくりの眼鏡絵に用いられ、芝居小屋内部を描いた浮世絵などにも応用された。遠視画。

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百科事典マイペディアの解説

浮絵【うきえ】

中国版画や舶載の洋書のさし絵を通して学んだ西洋画の透視遠近法を利用して描いた浮世絵版画。浮き出るように見えるため浮絵と呼ばれた。浮絵を得意とした画家には,〈浮絵元祖〉を自称する奥村政信をはじめ,西村重長歌川豊春昇亭北寿らがいる。
→関連項目眼鏡絵洋風画

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世界大百科事典 第2版の解説

うきえ【浮絵】

浮世絵版画の一様式。西洋画の透視遠近法を導入し画中空間の遠近感を誇張して表した絵。中国の清朝の眼鏡絵の影響によって生まれたとも考えられる。近景が浮き出て見えるところからこの名が生まれたが,逆に遠景がくぼんで見えるところから〈くぼみ絵〉とも呼ばれた。1740年(元文5)の作と推定される奥村政信の《芝居狂言舞台顔見世大浮絵》などが早期の例で,寛保・延享年間(1741‐48)の第1次流行期に政信と西村重長が,また明和~天明年間(1764‐89)の第2次流行期に歌川豊春が多作している。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

浮絵
うきえ

西洋の遠近透視画法を用い、遠近感を強調して描かれた浮世絵のこと。画面がくぼんで見えることから、「くぼみ絵」ともよばれた。おもに劇場内部や室内、あるいは風景などが描かれ、版画、肉筆画ともに作品がある。享保(きょうほう)年間(1716~1736)末ごろから浮世絵に用いられたとする見解が定着しているが、作品は確認されておらず、最古の確実な作例とされるものに、1744年(延享1)春に版行された舞台図が知られている。一般化し始めたのは延享(えんきょう)年間(1744~1748)ごろと考えられる。なお、浮世絵にこの技法を取り入れた創始者は奥村政信(まさのぶ)といわれ、現存する作品も少なくはないが、まだ遠近画法の理解が不十分であったため画面の不統一が目だつ。のち歌川豊春(とよはる)によって、数多くの浮絵が発表され、画法もおよそ完成されたとみられている。[永田生慈]

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世界大百科事典内の浮絵の言及

【浮世絵】より

…また政信は,みずから版元奥村屋を経営したように,企画力と実行力に富み,版画表現の新機軸をつぎつぎと打ち出し,長期不況の時期にあってよく浮世絵の活況を持続させた。たとえば,西洋画の透視遠近法をいち早く取り入れて〈浮絵(うきえ)〉という新しいジャンルを開発したり,画面の比率が極端に縦に長い〈柱絵(はしらえ)〉とか,細判を3図分横につなげて一連とする三幅対物などを考案,流行させている。その弟子の利信(生没年不詳),あるいは西村重長が政信と並行して活躍,ほかに鳥居派様式を形式化させた2代清信,2代清倍の役者絵が一般の支持を集めて多産された。…

【遠近法】より

…一方,日本では江戸時代中期(18世紀)以後に西洋の透視遠近法についての関心が深まった。はじめ,その影響は眼鏡絵浮絵などの民衆絵画の範囲にとどまったが,やがて洋風画家による遠近法の研究も始まって,一部の南画(文人画)家や円山四条派の画家もその感化をこうむるようになった。また,幕末に栄えた浮世絵の風景版画も,西洋の遠近法の影響を受けている。…

【眼鏡絵】より

…もともとは西洋発祥のもので,オランダからヨーロッパ製のものが,中国から中国製のものが舶載され,日本の絵画界に未知の合理的な遠近表現を教え,強く刺激した。京都では円山応挙が玩具屋の依頼を受けて一時製作にかかわり,江戸では奥村政信らの浮世絵師が影響を受けて浮絵(うきえ)という形式を生んだ。浮絵は鑑賞の際にレンズを通さず眼鏡絵とはいえないが,司馬江漢の銅版画は眼鏡絵として意識的に作られたものである。…

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