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苅萱(読み)かるかや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

苅萱
かるかや

説経節の曲名。中世以来高野山の下級僧である萱堂 (かやどう) の聖 (ひじり) の間で語り継がれ,近世初期に『せっきょうかるかや』 (1631) の正本が刊行された。筑前松浦党の総領,加藤繁氏は無常を感じて出家し,苅萱道心と名のる。子の石童丸は父をたずねて高野山へ登り,めぐり会うが,苅萱は師法然との誓いを守り,親子の名のりを思いとどまる。苅萱と石童丸の父子恩愛の情を哀切に描いたもの。本曲などを原拠とする浄瑠璃に享保 20 (1735) 年の浄瑠璃『苅萱桑門筑紫 (かるかやどうしんつくしのいえづと) 』がある。

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デジタル大辞泉の解説

かるかや【苅萱】

苅萱道心の略称。
謡曲で、苅萱道心の説話を題材にしたもの。現在は廃曲。禿高野(かむろこうや)。
説経節。三段。作者未詳。江戸初期の成立。五説経の一つで、謡曲の「苅萱」に他の説話を加えて作ったもの。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

苅萱 かるかや

説経節「苅萱」の主人公。
筑前(ちくぜん)苅萱荘(福岡県)領主加藤左衛門は,家族をすてて出家し,高野山にはいり苅萱道心となる。妻と子の石童丸があとをおってきたが,妻は山麓で病死。石童丸に父と名のらずつきはなし,信濃(しなの)(長野県)善光寺にむかったという。この物語は,のちに浄瑠璃(じょうるり)や歌舞伎にもなった。

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世界大百科事典 第2版の解説

かるかや【苅萱】

説経節の曲名。中世末期ころ成立した古説経の一つで,上中下の3巻から成る。善光寺の如来堂の脇に祭られている親子地蔵の由来を語る本地物の形式をとる。中世的な宗教性が濃く,俗生活に背を向けた苅萱が,家族の執拗な追跡を逃れて高野山にこもり,かたくなに道心を貫いた一生を描いている。この話は最初,高野山の蓮華谷や往生院谷にあった萱堂(かやんどう)に住まう高野聖(ひじり)の間で醸成されたもので,のちに旅を生活の場とする説経師の手に渡り,今日に伝わる形に成長した。

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世界大百科事典内の苅萱の言及

【苅萱堂】より

…和歌山県の高野山往生院谷にあり,密厳院に属する。いまも苅萱道心と石童丸の唱導をするので知られ,その旧跡とされている。密厳院は新義真言宗の開祖,覚鑁(かくばん)(興教大師)の念仏堂であったが,そのまわりに念仏の高野聖(ひじり)があつまり,その中心に萱堂(かやんどう)ができて萱堂聖と称せられた。…

【石童丸】より

…説経《苅萱(かるかや)》に出てくる幼い主人公の名。《苅萱》のもとになる話は,中世の高野山の蓮華谷や往生院谷あたりの〈萱堂(かやんどう)〉に住む聖(ひじり)の間に生まれたもので,それが後に謡曲の《苅萱》と説経に分かれて展開したものである。…

※「苅萱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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