茶経(読み)チャキョウ(その他表記)Chá jīng

デジタル大辞泉 「茶経」の意味・読み・例文・類語

ちゃきょう〔チヤキヤウ〕【茶経】

中国茶書。3巻。陸羽著。760年ごろ成立。茶の起源製法・いれ方・飲み方・器具などを詳しく述べた最古の茶書。

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精選版 日本国語大辞典 「茶経」の意味・読み・例文・類語

ちゃきょうチャキャウ【茶経】

  1. 中国の茶書の一つ。三巻。唐代の文人陸羽著。中国の茶の歴史、製法、器具などについて詳述

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改訂新版 世界大百科事典 「茶経」の意味・わかりやすい解説

茶経 (ちゃきょう)
Chá jīng

中国で著された世界最古のの専門書。3巻。唐の陸羽(字は鴻漸,733-804)の著書で760年ごろの作。経書(けいしよ)の経を書名に冠するように著者の自信作で,茶の起源,製茶法とその道具(巻上),茶器(巻中),茶のたて方と飲み方,茶の歴史,産地など(巻下)を詳細かつ整然と述べる。当時の茶は団茶と呼ぶ固形茶を削って飲んだが,この飲み方は文人,隠逸生活にある精行倹徳の人のものであるとし,茶道精神の萌芽がよみとれる。また本書は文学作品としても優れた内容をもつ。日本では1774年(安永3)大典禅師注釈がでてよく読まれた。現代語による訳書も刊行されている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「茶経」の意味・わかりやすい解説

茶経(ちゃきょう)
ちゃきょう

世界最初の茶書。「さけい」とも読む。中国唐代の文人陸羽(りくう)(?―804)が、上元初年(760)ごろに書いたといわれる。唐代に飲まれた団茶(だんちゃ)の製法、道具、茶器、煮方、飲法などが、3巻10章に分けて書かれている。冒頭は「茶者南方之嘉木也(ちゃはなんぽうのかぼくなり)」から始まり、茶の源流故事にまで言及する。茶は清行倹徳の文人の高雅な遊びであると説き、わが国五山僧をはじめ煎茶(せんちゃ)の世界にも大きな影響を与えている。『茶道古典全集』(淡交社)や『中国の茶書』(平凡社)に収録されているのをはじめ数種の単行本が出版されている。

[筒井紘一]

『布目潮渢・中村喬編・訳『中国の茶書』(平凡社・東洋文庫)』


茶経(さけい)
さけい

茶経

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「茶経」の意味・わかりやすい解説

茶経
ちゃきょう
Cha-jing

中国,唐代の茶に関する最古の書物。陸羽の著。上元1 (760) ~広徳2 (763) 年頃刊行。3巻。上巻は茶の起源,茶を作る道具や製法,中巻は茶器,下巻は煮立て方,飲み方,文献や産地などを記している。異本が多く宋の陳師道によって定本が作られた。本書に記されている茶は,日本の煎茶や抹茶とは異なった独特のものであるが,日本の茶道の起源的なものも認められる。

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百科事典マイペディア 「茶経」の意味・わかりやすい解説

茶経【ちゃきょう】

中国の茶に関する最古の書。唐代の陸羽〔733-804〕の著(760年ころ)。3巻。当時の団茶(だんちゃ)の詳細を記す。《喫茶養生記》に影響。→茶道

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