行政争訟(読み)ぎょうせいそうしょう

精選版 日本国語大辞典 「行政争訟」の意味・読み・例文・類語

ぎょうせい‐そうしょうギャウセイサウショウ【行政争訟】

  1. 〘 名詞 〙 行政上の法律関係について争いまたは疑いがある場合に、争いの当事者からの申立てによって、一定行政機関、あるいは裁判所などの国家機関が審判すること。また、その手続

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改訂新版 世界大百科事典 「行政争訟」の意味・わかりやすい解説

行政争訟 (ぎょうせいそうしょう)

広義では,行政上の法律関係について争いがある場合に,利害関係者などからの申立てにもとづいて,公の機関が,一定の定められた手続によって当事者の主張当否審理・判断し,これによってその争いの解決をはかる作用をいう。この意味での行政争訟には,司法裁判所が行う行政事件裁判行政訴訟)も含まれる。狭義では,広義の行政争訟のうち,司法裁判所とは系統を異にする行政裁判所や通常の行政機関などの,行政権に属する機関の行うものをいう。この意味での行政争訟に属するのは,日本でも第2次大戦前には存在した行政裁判や,現在の行政不服審査行政審判などである。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「行政争訟」の意味・わかりやすい解説

行政争訟
ぎょうせいそうしょう

行政庁権限行使適法性ないし妥当性をめぐって行政庁と国民との間に生ずる紛争を裁断する手続をいう。やや多義的な観念で、広くは行政権内部における行政不服申立ての手続のほか、司法裁判所による行政事件訴訟手続も含むが、狭くは前者のみをいう。行政不服申立ての場合は違法不当な行政活動、行政事件訴訟の場合には違法な行政活動を取り消して、それがなかった状態に原状回復させるのが原則である。なお、違法な行政活動によって被った損害の賠償とか、私法上の法主体としての国家・公共団体と国民との間の紛争(例、国と国民との間における土地売買契約の無効を理由とする土地返還請求訴訟)は国家・公共団体と国民との間の紛争ではあるものの、民事訴訟法が適用される民事紛争であって、ここでいう行政争訟ではない。

[阿部泰隆]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「行政争訟」の意味・わかりやすい解説

行政争訟
ぎょうせいそうしょう

広く行政法上の法律関係に関する争いを,利害関係者の提起に基づいて,一定の裁断機関が審理し裁断する手続の総称。このうち行政機関が行う手続を,特に狭義の行政争訟といい,裁判所が行う手続を行政訴訟という。現行法上狭義の行政争訟には,行政不服審査法による不服申立て,同法によらない特殊な不服申立て,行政審判などがある。

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