裁判所調査官(読み)サイバンショチョウサカン

百科事典マイペディアの解説

裁判所調査官【さいばんしょちょうさかん】

(1)家庭裁判所調査官家庭裁判所に置かれる,審判・調停事務を補助する専門職員。裁判官の命を受けて,医学・心理学・社会学・経済学等の専門知識を活用しつつ,当事者の性格や生活状況・家庭環境など事実関係の調査を行い,特に少年審判事件については少年の観護などもする。審判・調停の期日に出席する場合もある。(2)最高裁判所調査官。最高裁判所裁判官の補助をする。下級審裁判官から任命されるのが通例。最高裁に係属した事件については,まず調査官が事件について詳しく調査し,その報告書を担当主任裁判官に提出する。また特定の法律雑誌に〈最高裁判例解説〉を執筆する。最高裁判所裁判官の過重負担を緩和するために必要な制度であるが,反面最高裁の裁判が〈調査官裁判〉になっているとの批判もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

さいばんしょちょうさかん【裁判所調査官】

最高裁判所,高等裁判所および地方裁判所に置かれ,裁判官の命を受けて,事件の審理および裁判に関し,必要な調査をして報告することがその職務内容である(裁判所法57条)。その任免は最高裁判所が行う。ただし,地方裁判所の調査官は工業所有権事件および租税事件のためのものに限られている。最高裁の調査官は判事の資格を有する者がこれにあてられており,最高裁判事の数が長官も含め15名と比較的少数であるのを補佐して,とりわけ法律の解釈,適用に関して重要なはたらきをしている。

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大辞林 第三版の解説

さいばんしょちょうさかん【裁判所調査官】

最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所に置かれ、裁判官の命を受けて、事件の審理・裁判に関して必要な調査を行う特別職の職員。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

裁判所調査官
さいばんしょちょうさかん

最高裁判所、各高等裁判所および地方裁判所に置かれる職員であって、裁判官の命を受けて、事件(地方裁判所では、知的財産または租税に関する事件に限る)の審理および裁判に関して必要な調査を担当する者をいう(裁判所法57条)。最高裁判所は、当分の間、とくに必要があるときは、裁判官をもって裁判所調査官にあてることができる。現実には、最高裁判所調査官には、実務経験の豊富な下級裁判所の裁判官が任命されている。最高裁判所調査官はその個人的意見に基づいて、最高裁判所の判例解説を行っている。なお、各家庭裁判所および各高等裁判所には、家庭裁判所調査官(裁判所法61条の2)が置かれている。[内田一郎]

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精選版 日本国語大辞典の解説

さいばんしょ‐ちょうさかん ‥テウサクヮン【裁判所調査官】

〘名〙 裁判官の命令を受けて事件の審理や裁判に必要な調査を行なう職員。最高裁判所・高等裁判所・地方裁判所に置かれる。家庭裁判所には家庭裁判所調査官が置かれている。〔裁判所法(1947)〕

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世界大百科事典内の裁判所調査官の言及

【裁判所】より

…裁判所法は最高裁判所に関しさらにくわしく定めるとともに,下級裁判所として高等裁判所地方裁判所,家庭裁判所および簡易裁判所の4種を設けること,およびそれらの構成,権限,裁判所要員などの事項に関し詳しい規定を設けている。 裁判所の職員には,裁判官のほか裁判所書記官裁判所調査官,裁判所事務官,執行官,裁判所技官などがある。裁判所書記官は,訴訟を含め裁判所のすべての手続を記録した調書の作成,管理を中心とした重要な職務を担う。…

※「裁判所調査官」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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