見返し(読み)みかえし

百科事典マイペディア「見返し」の解説

見返し【みかえし】

(1)巻子本(かんすぼん)の本文が始まるすぐ前の紙面で,装飾として絵画や文様が描かれた。正倉院宝物の《梵網(ぼんもう)経》に山水が描かれているのが早い例で,平家納経の見返しは豪華さで有名。(2)洋装本で本の表紙と中身とをつなぎ合わせている紙。二つ折りにした丈夫な紙を本文ののどの部分にのりづけしたはり見返しが普通に行われている。→製本
→関連項目装丁

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「見返し」の解説

見返し
みかえし
endpaper

書籍造本用語。書籍の本体と表紙を連結するため,前後に挿入して一面を表紙に張る紙。本体と表紙とは,寒冷紗,じょうぶな紙などで連結されるものであるが,外見が悪いので,装飾を兼ねて見返し紙で補強する。

見返し
みかえし
facing

洋裁用語。前開き,なしのときの襟ぐり,なしのときの袖ぐりなどの部分の裏側につける布をさす。縁の線を整え,補強し,また表から裏側がのぞいた場合の体裁をつくる。通常表布と同じ布を用いるが,厚地のものやレースのように透ける柄物の場合は別布を用いる。

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デジタル大辞泉「見返し」の解説

み‐かえし〔‐かへし〕【見返し】

書物の表紙と本文との間にあって、両者の接着を補強する2ページ大の紙。一方は表紙の内側に貼りつけ、もう一方は「遊び」といって、本文に接する。
和装本で、表(おもて)表紙の裏にはる紙または布。著者名・書名・発行所などを印刷したものが多い。
洋裁で、襟ぐりや打ち合わせ・袖ぐり・袖口などの縁の始末に用いる布。多く共切れを用いる。

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世界大百科事典 第2版「見返し」の解説

みかえし【見返し】

もとは巻子本(かんすぼん)で本文の前の余白(あるいは布などのはってある)部分,すなわち表紙の裏の内側部分を指したが,現在では,いわゆる上製本の表紙と本文とをつなぐ部分と,そのための用紙のことをいう。本の頻繁な開閉に耐えるために和紙ラシャ紙などのじょうぶな紙を用い,また本製本の本では寒冷(かんれいしや)などで補強され,そのしたて方もいく通りかある。しかし文庫本やペーパーバックなど仮製本の本では省略されることが多い。

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世界大百科事典内の見返しの言及

【製本】より

…これは製本工程のうちでかなり手数のかかる作業であるから,別丁の多い出版物は,印刷の台割り(どの折りにどのページが入るかを見積もること)のとき十分注意して,はりこみの手数を少なくするよう配慮する必要がある。
[見返しごしらえ]
 最初と最後の折りに見返しをはりつける。見返しend‐papersとは,表紙と中身とをつなぎ合わせている紙のことで,これには〈はり見返し〉〈まき見返し〉〈とじ見返し〉〈つぎ見返し〉の4様式がある(図2)。…

【表紙】より

… 日本や中国の巻子本には表紙があり,本文の前に余白を多くとったり,ふつうは別の厚い白紙や,色紙(いろがみ),金銀箔をおいた紙などを用いたり,布帛をはりつけたりする。表紙の裏,すなわち内側の部分を見返しという。 冊子本には前表紙と後表紙(裏表紙)があり,また背の部分は背表紙という。…

※「見返し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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