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観世長俊 カンゼナガトシ

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デジタル大辞泉の解説

かんぜ‐ながとし〔クワンゼ‐〕【観世長俊】

[1488~1541]室町後期の能役者・能作者。信光の子。通称、弥次郎。作「輪蔵(りんぞう)」「正尊」など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

観世長俊 かんぜ-ながとし

1488-1541 戦国時代の能役者ワキ方,能作者。
長享2年生まれ。観世信光の長男。金剛元正にまなび,名手として活躍。また宗家7代観世元忠の後見として芸を指導した。能作者として「江島(えのしま)」「大社(おおやしろ)」「輪蔵」「正尊(しょうぞん)」「親任(ちかとう)」などの作がある。天文(てんぶん)10年死去。54歳。通称は弥次郎。

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朝日日本歴史人物事典の解説

観世長俊

没年:天文10(1541)
生年:長享2(1488)
室町後期・戦国時代の能役者。通称弥次郎。父は観世信光。観世座の脇役坂戸四郎権守に師事し,成人して観世大夫元広の脇を勤める。「脇の仕手」として,元広没後はその子元忠(のちの宗節)の補佐に当たるも,のちには次第に不和となる。謡の名手であったらしく,長俊節付とする謡本も伝存している。能作者としては25曲の作品を作ったことが知られるが(『能本作者注文』),父信光のショー的,スペクタクル的な作風をより徹底させたもので,素材面でも異国,異形への関心が強い。

(石井倫子)

出典|朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版
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世界大百科事典 第2版の解説

かんぜながとし【観世長俊】

1488‐1541(長享2‐天文10)
観世信光の嫡男。通名弥次郎。観世座脇役者。能作者。同座の名脇役で坂戸四郎権守(ごんのかみ)と称した金剛四郎次郎元正に師事。成人後,観世大夫元広(道見)の脇の仕手となる。当時の脇役は,大夫の相手役をつとめるばかりでなく,その補佐役・代理をもする重職であり,大夫に次ぐ者という意味で脇の仕手という。脇の仕手はまた地謡の統率者をも兼ねており,長俊もやはり謡の名手であったらしい。1516年(永正13)7月,これも謡の名手で聞こえた父信光の初七日に,みずから謡本《当麻》を書写しており,その他にも長俊節付本の転写の旨を銘記する謡本も伝存する。

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大辞林 第三版の解説

かんぜながとし【観世長俊】

1488~1541) 室町後期の能役者・能作者。観世座ワキ方。通称、弥次郎。信光の長男。作「江島」「大社」「輪蔵」「正尊」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

観世長俊
かんぜながとし
(1488―1541)

室町末期の能役者、能作者。通称弥次郎。観世信光(のぶみつ)の長男。ワキの名手として、また幼少の大夫(たゆう)観世元忠(もとただ)(後の宗節(そうせつ))を名人に育てた功労者として名高い。作品に『大社(おおやしろ)』『輪蔵(りんぞう)』『正尊(しょうぞん)』『親任(ちかとう)』『河水(かすい)』『葛城天狗(かつらぎてんぐ)』などがある。登場人物の多彩な、舞台面のにぎやかな能である。長俊と金春禅鳳(こんぱるぜんぽう)(『嵐山(あらしやま)』『一角仙人(いっかくせんにん)』の作者)の2人の世代で、能の創作はいちおうの終止符が打たれた。[増田正造]

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世界大百科事典内の観世長俊の言及

【江の島】より

…脇能物。観世長俊作。観世流のみにある。…

【能】より

…次にその例を挙げるが,この中には,作者について多少の疑問を残しているものや,後に改作されて現在に伝えられていることの明らかなものも含めてある。 (1)観阿弥 《松風》《通小町(かよいこまち)》《卒都婆小町(そとばこまち)》《自然居士(じねんこじ)》,(2)世阿弥 《老松(おいまつ)》《高砂(たかさご)》《弓八幡(ゆみやわた)》《敦盛》《忠度》《清経》《頼政》《実盛》《井筒》《檜垣(ひがき)》《西行桜》《融(とおる)》《鵺(ぬえ)》《恋重荷(こいのおもに)》《砧(きぬた)》《班女(はんじよ)》《花筐(はながたみ)》,(3)観世元雅 《隅田川》《歌占(うたうら)》《弱法師(よろぼし)》《盛久》,(4)金春禅竹 《芭蕉》《定家(ていか)》《玉葛(たまかずら)》《雨月(うげつ)》,(5)宮増(みやます) 《鞍馬天狗》《夜討曾我》,(6)観世信光 《遊行柳(ゆぎようやなぎ)》,《鐘巻(かねまき)》(《道成寺》の原作),《紅葉狩》《船弁慶》《羅生門》《安宅(あたか)》,(7)金春禅鳳 《嵐山(あらしやま)》《一角仙人》,(8)観世長俊 《大社(おおやしろ)》《正尊(しようぞん)》。
【曲籍】
 一日の公演に演ずる能の数は,南北朝時代までは4~5演目にすぎなかったが,その後増加の道をたどり,室町時代中期から桃山時代にかけては7番から12番ぐらいの例が多く,一日17番という例さえ見られる。…

【風流能】より

…美少年が小歌,曲舞(くせまい),羯鼓(かつこ)などの芸能を尽くす《花月》,武士の鬼退治をみせる《土蜘蛛》,天人の舞が中心の《羽衣》など,人間の心理や葛藤を描くよりも見た目のおもしろさや舞台上のはなやかな動きを中心とした能を指し,広い意味では脇能(神霊が祝福を与える内容)も含まれる。なかでも観世信光作《玉井(たまのい)》《竜虎(りようこ)》《愛宕空也(あたごくうや)》,金春禅鳳(こんぱるぜんぽう)作《嵐山》《一角仙人》,観世長俊作《江野島(えのしま)》《輪蔵(りんぞう)》などは,華麗な扮装の神仏,天仙,竜神などが次々と登場して舞台を動き回り,大がかりな仕掛けの作り物を活用し,アイ(間)も《玉井》の〈貝尽し〉,《嵐山》の〈猿聟〉,《江野島》の〈道者〉のように,にぎやかにくふうを凝らす(ただし,今日これらのアイは特別な場合しか上演しない)など,全体がスペクタクル・ページェント・ショーとして統一されている。日本では,スペクタクルやショーに類するものを古来〈風流〉と称したので,この種の能を風流能と名づけた。…

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