(読み)タク

デジタル大辞泉 「託」の意味・読み・例文・類語

たく【託】[漢字項目]

常用漢字] [音]タク(呉)(漢) [訓]かこつける かこつ ことづける
他にあずける。ゆだねる。「託送託児所依託委託寄託供託結託受託嘱託信託請託負託
他の事にかこつける。「託言仮託
神が他の口を借りて告げる。「託宣神託
[名のり]より

たく【託】

えらぶって言うこと。→御託ごたく
天文を知らねえからだとか、―を言はれるに違えねえが」〈滑・七偏人・五〉

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精選版 日本国語大辞典 「託」の意味・読み・例文・類語

かこつけ【託】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「かこつける(託)」の連用形名詞化 ) 他に関係づけて言うこと。他のことを口実にすること。
    1. [初出の実例]「かこつけがないほどに逗留したけれども不叶して行也」(出典:三体詩幻雲抄(1527))
    2. 「馬鹿野郎呼はりは太吉をかこつけに我(お)れへの当こすり」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉七)

たく【託・托】

  1. 〘 名詞 〙 えらぶって言うこと。ごたく。
    1. [初出の実例]「三社の詫(タク)をならべる日にやァ」(出典:洒落本・見通三世相(1796か)中幕)

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普及版 字通 「託」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 10画

[字音] タク
[字訓] よせる・たのむ・まかせる・かこつける

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(たく)。〔説文〕三上に「寄するなり」と寄託の意とする。・宅は中で神託を受ける意であるらしく、それで託は寄託・付託・仮託の意となる。のち託興のように用いるが、もとは神意を伺って神託を受ける意であろう。

[訓義]
1. よせる、よる、たよる、たのむ。
2. つく、ゆだねる、まかせる。
3. かこつける、まぎらす。

[古辞書の訓]
名義抄〕託 ツク・ヨル・ワサウフ(ラ)・オコル 〔立〕託 ハカリゴト・ワザウラ・ホコル・ツク・クルフ

[語系]
託・thakは同声。宅deakは声義近く、卜辞に「中に宅(を)る」ことを卜する例があり、それによって神託をえたものと思われる。は「寄するなり」、託・は「依るなり」と訓する字。いずれも神霊が依附して、お筆先のように託言することを示す字と考えられる。

[熟語]
託意・託託援・託寄託咎・託興託寓託孤託故託交・託子・託事託疾・託宿・託処託承・託心・託身・託生・託足・託大・託付託諷・託病・託夢・託名託喩託頼
[下接語]
依託・委託・仮託・寄託・擬託・矯託・結託・自託・承託・嘱託・信託・神託・請託・宣託・庇託・付託・諷託

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