喇
河辺郡
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
鹿児島県吐噶喇(とから)列島のほぼ中央にある火山島。面積22.3km2。列島のなかでは中之島に次いで大きい。鹿児島郡十島(としま)村に属する。島の中央にある御岳(おたけ)(796m)は典型的なストロンボリ式噴火の活火山として知られ,間欠的に噴煙をあげ,その高さはときには1000mをこえる。1813年(文化10)の大噴火で島民は脱出,以後無人島となったが,83年奄美大島から開拓民が入った。島の周囲は急崖をなし,南部の台地に集落がある。山地はアコウ,ガジュマル,ソテツ,琉球竹など亜熱帯性の植物相を示す。台地上でサトウキビ,野菜の栽培が行われ,御岳のすそ野の共同牧場では肉牛が飼育されている。景色がよく,釣り場に恵まれるため,1970年代に日本楽器(現,ヤマハ)によって宿泊施設と飛行場が建設され,不定期ながら鹿児島空港との間に小型機が運航されている(のちヤマハは観光産業から撤退)。鹿児島港からは村営航路が通じる。
執筆者:服部 信彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報